わたしのグランパ

わたしのグランパ

筒井康隆の小説『わたしのグランパ』は、少女と祖父の交流を描いた物語であり、映画化もされています。ここでは、その概要、あらすじ、映画情報について解説します。

概要

『わたしのグランパ』は、筒井康隆がジュブナイル小説として執筆しました。1999年4月に『オール讀物』に掲載され、同年8月に文藝春秋から単行本として刊行。2002年には文春文庫版も登場しています。第51回読売文学賞小説賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

あらすじ

物語は、いじめに苦しむ中学生の五代珠子が、刑務所から出所した祖父・五代謙三（ゴダケン）と出会うところから始まります。珠子は初め、いじめられていることを隠そうとしますが、謙三の正義感と優しさに触れるうちに心を開いていきます。謙三は、珠子をいじめる不良や暴力団に立ち向かい、問題を解決しようとしますが、過去のいざこざから珠子が誘拐されてしまうという展開を迎えます。

映画

2003年4月5日に東映の配給で公開されました。主な撮影は栃木県足利市で行われ、第27回モントリオール世界映画祭では最優秀アジア映画賞を受賞。ヒロイン役の石原さとみは、本作が女優デビュー作となり、国内で数々の新人賞を獲得しました。

スタッフ

製作総指揮：小田信吾、早河洋
企画・製作者：木村純一、堀義貴、山上徹二郎、黒澤満
プロデューサー：石井徹、菅井敦、梶淳
監督・脚本：東陽一
原作：筒井康隆
音楽：Alpha. / タブラトゥーラ
撮影: 小林達比古
美術: 菊地章雄
録音: 久保田幸雄
照明: 中須岳士
編集: 青山昌文

キャスト

五代謙三：菅原文太
五代珠子：石原さとみ
中藤慎一：浅野忠信
五代恵一：平田満
五代千恵子：宮崎美子
疋田隆三：伊武雅刀
五代操：波乃久里子

製作の背景

企画は東陽一監督によるもので、菅原文太の起用は、東監督が以前テレビで菅原の映画界への熱い思いを聞いたことがきっかけでした。筒井康隆の原作を読んだ東監督は、グランパ役には菅原文太しかいないと考え、出演を依頼。一度は映画界から身を引いていた菅原でしたが、脚本と手紙に心を動かされ、出演を決意しました。

脚本

映画化にあたり、東監督は筒井康隆に脚本に対する注文は一切なかったそうです。

キャスティング

孫娘役の石原さとみは、オーディションで東監督が「彼女しかいない」と推して選ばれました。東監督は石原の才能を高く評価していました。

撮影

映画の9割は栃木県足利市で撮影されました。足利市は、北仲通り、渡良瀬川の堤防、旧相生小学校などがロケ地として使用されています。

作品の評価

映画は、モントリオール世界映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞するなど、国際的にも評価されました。

受賞歴

第27回モントリオール世界映画祭最優秀アジア映画賞
第28回報知映画賞新人賞
第16回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞新人賞
第25回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞
第46回ブルーリボン賞新人賞
第13回日本映画批評家大賞新人賞
* 第27回日本アカデミー賞新人俳優賞

テレビ放映

2014年には、菅原文太の追悼番組としてテレビ朝日で放送されました。

DVD

2015年3月13日に東映ビデオからDVDが発売されています。

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