波涛 (雑誌)

雑誌『波涛』の概要

『波涛』（はとう）は、海上自衛隊幹部学校の兵術同好会が発行していた雑誌で、1975年11月に創刊されました。当初は隔月刊として発行されていましたが、2013年からは季刊に変更され、長年にわたって自衛隊の兵術に関するさまざまな情報を提供してきました。

2019年度をもって海上自衛隊幹部学校の同好会は解散し、それに伴い2020年3月にはこの雑誌は廃刊となりました。最終号である通巻250号の発行をもって、その歴史に幕を閉じました。著作権の管理は水交会に移譲されています。

創刊の経緯と内容

『波涛』は、1975年7月に発行されていた『海幹校評論』が廃刊となった後に創刊されたもので、主に海上自衛隊に関わる様々なテーマに関する内容が掲載されていました。私的定期刊行物という位置づけのため、海上自衛官だけでなく、一般読者や他の関係者からの寄稿も受け付けており、そのため非常に幅広いジャンルの原稿が集まっていました。

掲載内容は多岐にわたり、専門的な論文や評論だけでなく、海上自衛隊の日常業務に関連したもの、随筆や紀行文、さらには漫談的なエッセイまで、バラエティに富んだ記事が特徴的でした。このような柔軟なコンテンツの構成は、読者のニーズに応える形で、長年にわたって支持されていた理由の一つといえます。

配布と所蔵

『波涛』は一般に市販されることはなく、全国の限られた図書館、例えば国立国会図書館にのみ一部が所蔵されている状態でした。このため、一般の読者が手に入れることは非常に難しかったのですが、現在では国立国会図書館のデジタルコレクションに一部が収録されているため、参加図書館を通じてオンラインでの閲覧や複写サービスを利用することができるようになっています。

関連資料

『波涛』に関連する他の雑誌としては、陸戦学会が発行する『陸戦研究』や、航空自衛隊幹部学校の幹部会が出版している『鵬友』があります。これらの刊行物もまた、日本における自衛隊の研究や実務に関する重要な情報源として利用されています。

まとめ

『波涛』は、海上自衛隊の実務や思想、文化を広く伝える重要な媒体であり続けましたが、その歴史は2020年に終焉を迎えました。今後、デジタル化されることで、より多くの読者に理解される機会が増えることでしょう。また、同様のテーマを扱う雑誌を通じて、今後も自衛隊に関する情報の発信が続けられることを期待しています。

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