波濤を越える渡り鳥

映画『波濤を越える渡り鳥』

『波濤を越える渡り鳥』は、1961年1月3日に公開された日本の映画で、日活が制作を手掛けています。本作は、監督の齋藤武市が指揮を執り、主演には小林旭が起用されています。シリーズの第6作目にあたるこの映画は、特異な点として初めての海外ロケを実施しており、タイのバンコクを舞台にしています。

あらすじ

物語は、戦時中に日本軍が隠した貴金属を巡る争奪戦を描いています。主人公である渡り鳥こと滝伸次（小林旭）は、その貴金属を追い求める過程で、殺し屋ラオスの虎（宍戸錠）と対立することになります。バンコクの異国情緒あふれる背景の中で、スリリングなアクションが展開され、観客を引き込む娯楽活劇としての魅力を放っています。

キャスト

主要なキャストには、滝伸次を演じる小林旭をはじめ、ラオスの虎役の宍戸錠、松本則子役の浅丘ルリ子、そしてリー・ペンチュン役の金子信雄など、豪華な面々が揃っています。また、ソンタヤとして白木マリが出演し、物語に深みを加えています。

他にも松本丈二役の小高雄二や、ヴァン・ジェラール役の藤村有弘、ロチャ・ナ・ブリ役の清水将夫といったキャストも、映画の中で重要な役割を果たしています。さらに、少年時代の滝伸次を江木俊夫と亀谷雅敬が演じています。

スタッフ

この作品の脚本を担当したのは山崎巌で、企画には児井英生、原作には原健三郎が名を連ねています。また、音楽を担当したのは小杉太一郎で、ストーリーの高揚感を演出するのに寄与しています。技斗を手掛けた高瀬将敏のアクションにも注目です。

同時上映

本作は『波濤を越える渡り鳥』に加え、同時上映として『大出世物語』があり、こちらは源氏鶏太の原作を基に、三木克巳の脚本で阿部豊が監督を務めた作品です。

『波濤を越える渡り鳥』は、アクション映画としての魅力を十分に発揮しており、特に海外ロケによるリアルな風景描写が評価されています。一方で、物語は緊迫感溢れる展開を見せ、観客を楽しませる要素が盛り込まれています。タイの文化や風習も巧みに取り入れられ、多面的な楽しみが享受できる映画となっています。この作品は、当時の日本映画界におけるチャレンジを象徴する一作品として、今なお多くのファンに愛されています。

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