泰将棋

泰将棋：巨大な盤上の戦いを制する

泰将棋は、将棋の一種であり、その規模の大きさで知られる、二人対戦のボードゲームです。別名「無上泰将棋」とも呼ばれ、かつては最大規模の将棋とされていましたが、さらに巨大な大局将棋が登場したことでその地位を譲りました。名称の由来は、元々は「無上大将棋」と呼ばれていたものが、大将棋と混同されるのを避けるため、象棋六種之図式で「泰」の字が当てられたことにあります。

泰将棋は、摩訶大大将棋を拡張したようなシステムを持ち、大大将棋の駒も多く取り入れています。駒の種類は実に93種類にも及びます。成り駒についても、摩訶大大将将棋との共通点が多く見られます。「奔」が付く成駒が多く、金将に成ることで弱体化する駒も存在します。また、無明の成駒（法性）や提婆の成駒（教王）などは、特に強力な駒として知られています。

泰将棋における最大の特徴は、玉将が存在しないことです。代わりに、自在天王という非常に強力な駒が配置され、ゲームの中核を担います。さらに、太子が最初から配置されており、醉象の成駒と合わせて、盤上に最大3つの「王」が存在する可能性があります。これは、他の将棋変種にはない、泰将棋独特の要素です。

大局将棋とは異なり、泰将棋の盤駒は天童市将棋資料館に展示されており、実物を見ることができるのも魅力の一つです。

ルール概要

泰将棋は、縦横25マスずつ、計625マスの盤面で行われます。一般的な将棋とは異なり、自陣・敵陣の概念はありません。

ゲームは、プレイヤーが交互に自分の駒を1つずつ動かしていくターン制です。持ち駒の概念はなく、盤上にある駒のみを使用します。駒の動きは、大大将棋や摩訶大大将棋と多くの共通点がありますが、成り駒に違いが見られるものも多いです。

相手の駒を自らの駒で攻撃し、そのマスに移動することで、相手の駒を取ることができます。ただし、本将棋のように、取った駒を持ち駒として使用することはできません。

自在天王、奔王、龍王、龍馬以外の駒は成ることが可能です。ただし、敵陣に入ったから成るのではなく、敵の駒を取ったときに成ります。そのため、盤上のどの位置でも成る可能性があり、自陣・敵陣の区別はありません。また、成りは強制であり、成ることを選択しないことはできません。

駒の種類と初期配置

泰将棋には、93種類もの多様な駒が存在します。それぞれの駒は固有の動きを持ち、ゲームの戦略に多様な選択肢を生み出します。初期配置は、複雑な戦略を展開するための重要な要素です。（具体的な初期配置については図表を参照ください。ここでは記述を省略します。）

関連事項

泰将棋は、将棋の歴史と多様性を理解する上で重要な要素です。中将棋、大将棋、大大将棋、摩訶大大将棋といった他の将棋変種との関連性も高く、それらの知識を背景に泰将棋を理解することで、より深い楽しみ方ができます。映画「王手」では、泰将棋が「平安大将棋」として紹介され、対局シーンが描かれています。

まとめ

泰将棋は、その巨大な盤面と多様な駒、そして独特のルールによって、他の将棋変種とは一線を画す、非常に複雑で奥深いゲームです。その規模感と戦略性の高さは、熟練の将棋愛好家をも魅了するでしょう。天童市将棋資料館での展示を通じて、その魅力を直接体感することも可能です。

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