津山城

津山城について

津山城（つやまじょう）は、岡山県津山市山下に位置する歴史深い城であり、別名は鶴山城（かくざんじょう）です。この城の跡は国の史跡に指定されており、保存計画も進められています。津山城は、日本三大平山城のひとつとして知られ、城郭の形式は梯郭式平山城です。

構造と位置

津山城は津山盆地の中央にあり、東側には宮川の支流、丘陵の自然の断崖を防御線として利用しています。南を流れる吉井川及びその支流、藺田川が外郭として城を囲み、内側には城下町の主要部が形成されています。かつては広島城の77棟をしのぐ数の櫓が建ち並び、その姿は明治初頭の写真に残されています。また、津山郷土博物館には津山城の復元模型があり、往時の姿が垣間見えます。明治6年（1873年）の廃城令によって天守などの建造物は破却され、今は石垣と礎石が残るのみです。2002年から2006年にかけて、備中櫓と土塀が再建されました。

現在の姿

現在、津山城は「鶴山公園」として整備されており、特に桜の名所として有名です。日本さくら名所100選にも選定され、毎年4月1日から15日には津山さくらまつりが行われ、多くの人々が訪れるイベントとなっています。公園内には美しい桜の木が植えられており、春になると花見を楽しむ人々で賑わいます。

天守とその特徴

津山城の天守は、4重5階の層塔型で、南側には六番門が付随しています。天守の高さは約23メートルで、初重の壁面四隅には袴形の石落としが施されています。天守には鉄砲狭間や矢狭間が設けられており、防御に工夫が凝らされています。最上階は明治時代の写真に戸板が覆われている様子が写されており、当初は外廻縁に高欄が設置されていました。特に、最上階の屋根は板葺きで作られており、幕府からの視察に備えた推測もされています。

城の伝承や歴史

津山城の築城に関する伝説では、小倉城の天守を模して造られたと言われています。城主の森忠政が家臣を派遣し、小倉城の天守を検分したことが伝えられており、その後、津山城が完成しました。この過程で幕府からの疑念を巧みにかわすエピソードもあり、忠政は4重であると主張をし、その難を逃れたとされます。

津山城は、その歴史の中で多くの変遷があり、1441年から1444年の間に山名教清によって成立されたことが最初です。それ以後、城は何度も手に渡り、1603年に森忠政が城を本格的に築城しました。以降、江戸時代には城主が交代し、明治4年には廃藩置県が行われました。

近現代では、城跡が町有化され、鶴山公園として多くの人々に親しまれる場所となり、城の保存運動も活発に行われています。1970年代以降の整備計画によって、城跡の復元や石垣の修復作業が進められています。

アクセス

津山城へは、JR姫新線・津山線の津山駅から徒歩約15分の距離にあり、中国自動車道の津山インターチェンジまたは院庄インターチェンジからも約15分でアクセス可能です。観光客にとって、歴史を感じながら自然に囲まれた美しい公園は訪れる価値があるスポットです。

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