津川主一

津川主一（つがわ しゅいち）

津川主一は、1896年11月16日に愛知県名古屋市で生まれ、1971年5月3日に生涯を閉じた、日本のキリスト教牧師であり、著名な教会音楽家です。

生涯

津川主一は、旧制名古屋中学校（現在の名古屋中学校・高等学校）を経て、関西学院神学部を卒業しました。その後、東京麻布美普教会の牧師に就任し、初期のキャリアを教会活動に捧げました。

牧師を辞任した後、彼は後半生を合唱運動に情熱を注ぎました。自由学園、恵泉女学園、青山学院神学部、東京YMCAなどで講師を務め、後進の育成に尽力しました。また、東京オラトリオ、横浜オラトリオ、仙台オラトリオ、東京シンフォニック・コーラス、東京バッハ・ヘンデル協会など、数々の合唱団を創設し、指揮者として活躍しました。

さらに、全日本合唱連盟の常任理事（1956年～1966年）および名誉会員（1970年）、東京都合唱連盟の理事長（1956年～1957年）を務めるなど、合唱界の発展にも大きく貢献しました。

教会音楽への貢献が認められ、1967年には第4回キリスト教功労者を受賞しました。また、彼は音楽に関する著作活動も行い、スティーブン・フォスターの伝記を著したほか、「主人は冷たい土の中に」の訳詞も手がけました。

著書

津川主一は、数多くの著作を執筆・編集しました。以下に主な著書を挙げます。

『日曜学校音楽』(1925年)
『日曜学校幼稚園聖歌集』(1927年)
『讃美歌作家の面影』(1927年, 1955年再版)
『合唱楽及指揮法』(1933年)
『独逸国民と音楽生活』(1942年)
『音楽の教養』(1943年)
『シューベルト』(1947年)
『パパ・ハイドン』(1948年)
『アメリカ民謡の父 フォスターの生涯』(1948年, 1951年再版)
『合唱音楽の理論と実際』(1950年)
『日本こども聖歌集』(1951年)
『Hymns in English and German』(1957年)
『音楽とプロテスタンティズム』(1957年)
『楽しい民謡コーラス』(1960年)
『教会音楽5000年史』(1964年)

編著・共編著

『ジョン・ウエスレーと音楽』(1937年)
『合唱名曲撰集』(1937年, 1938年)
『降誕祭独唱聖曲集』(1937年)
『東洋平和と降誕祭 交声曲』(1938年)
『世界藝術歌曲集』(1947年)
『女聲合唱名曲集』(1948年)
『混聲合唱名曲集 1』(1948年)
『プライマリー英語の歌』(1951年)
『学校・教会オルガン名曲集』(1953年)
『こどもの歌若人の歌』(1956年)
『最新中学音樂』(1956年)

翻訳

ベルリオーズ『合唱管絃楽指揮法』(1929年, 1948年再版)
トーマス・アダムス『聖き御子 降誕交声曲(混声合唱)』(1937年)
ガーデ『子供の降誕祭 ピアノ・オルガン独奏組曲』(1937年)
セザール・フランク『オルガン小聖曲集』(1938年)
フレーベル『愛児保育歌曲集』(1939年)
アルバート・シュヴァイツァー『バッハの生涯』(1940年)
バッハ『オルガン独奏曲集』(1941年)
『民族解放の歌』(1942年)
アルバート・シュヴァイツァー『バッハの芸術』(1943年)
クルト・ロンドン『映画音楽の美学と科学』(1944年)
ファイズィー・ラハミン『印度の音楽』(1944年)
フリードリッヒ・フレーベル『母とおさなごの歌』(1957年)
ヘルタ・パウリ『聖夜 うたものがたり』(1957年)
『ジュビリー・シンガーズ 物語と黒人霊歌集』(1960年)
ホブスン・スミス『ケンタッキー・ホーム :ミュージカル・ドラマ スティヴン・フォスター伝』(1963年)

音楽活動と影響

津川主一は、教会音楽の発展に大きく貢献しました。彼の合唱団の創設や指導は、日本の合唱音楽のレベル向上に寄与しました。また、教育者としても、多くの音楽家を育て、日本の音楽文化の発展に貢献しました。

関連項目

津川主一の業績に関連する項目として、以下のものがあります。

牧人ひつじを
* 線路は続くよどこまでも

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