津市警察

津市警察について

津市警察（つしけいさつ）は、三重県津市に存在していた自治体警察であり、戦後の日本における警察制度の改革の一環として1948年に設立されました。津市の治安維持や市民の安全を確保するために活動していましたが、1954年に三重県警察に統合されその歴史を閉じることとなります。

発足と設立の背景

日本の戦後は大きな社会変革が求められた時期であり、警察制度もその例に漏れませんでした。この中で、津市においても自治体警察が必要とされ、1948年3月7日に津市警察署が設置される運びとなりました。この設立に際しては、旧津警察署の署長を務めた松田二六が初代警察長に任命され、体制の整備が急がれました。

また、津市議会でもこの公安委員会の設置についての協議が重ねられ、同年の1月29日には公安委員会のメンバーが任命されるなど、地域の治安を守るための準備が着実に進められました。

主な活動と功績

津市警察の所在地は津市大門町で、1953年には旧市議会議場のあった西町に移転しました。この新しい拠点から、津市警察は様々な治安活動を展開しました。特に1953年9月25日には、台風13号による危機に対して、救援や防護活動に全力を尽くし、市民から感謝の意を表されるなど、地域社会への貢献が評価されました。

組織の変遷

津市警察は設立当初は警務部と刑事部の2部体制をとっていましたが、機構改革を経て、警視1名、警部1名、警部補3名、巡査部長9名、巡査82名、技術者1名、書記3名という体制に進化しました。これにより、効率的な運営が行えるようになっていきました。

具体的には、防犯課や捜査課、交通課、警備課、警務課といった各課が設置され、市民からの信頼を得るための基盤が整えられていきました。さらに、地域の治安を向上させるために、巡査部長を中心とした派出所や駐在所も整備され、それぞれの地域での防犯活動の強化が図られました。

統合と消滅

津市警察の運命は1954年に大きく変わります。新たに施行された警察法により、国家地方警察と自治体警察が廃止され、都道府県警察として三重県警察本部が設立されることとなりました。これによって、津市警察も三重県警察に統合され、その歴史に終止符が打たれました。自治体警察の時代は終わりを迎え、新たな体制のもとで地域の治安が維持されていくこととなります。

参考文献

• - 梅原三千・西田重嗣『津市史 第四巻』津市役所、昭和44年3月25日、748p.

津市警察の設立とその後の歴史を振り返ることで、地方自治体がどのように市民の安全を守るために努力していたかを知る良い機会となります。また、このような自治体警察の役割は、その後の警察制度にも大きな影響を与えたことは間違いありません。

もう一度検索