津軽急行自動車

津軽急行自動車は、かつて青森県で路線バスを運行していた会社です。1933年、角弘の長谷川与助によって設立されました。長谷川与助は、青森市と北津軽郡間の経済交流の必要性を強く感じており、その思いが津軽急行自動車の設立へと繋がりました。

設立当初、津軽急行自動車は青森市油川と北津軽郡飯詰村を結ぶ路線を運行していました。この路線は、国有林道を通るものでしたが、道幅が狭く、バスの運行には適していませんでした。そこで、長谷川与助は自ら陣頭指揮を執り、この国有林道を拡幅し、バス専用道路を建設しました。このバス専用道路は、後に青森県道26号青森五所川原線となり、地域の交通インフラとして重要な役割を担うことになります。

津軽急行自動車の設立と路線開設は、青森市と北津軽地域の人々の交流を促進し、経済の活性化に大きく貢献しました。それまで、交通の便が悪かった両地域間の移動が容易になり、人や物の流れが活発になったのです。また、バスの運行を通じて、地域住民の雇用を創出し、生活を支える役割も果たしました。

しかし、1941年、津軽急行自動車は津鉄バスに買収され、その短い歴史に幕を閉じました。買収後、津軽急行自動車の路線は津鉄バスに引き継がれ、現在も一部区間が運行されています。津軽急行自動車の名前は消えましたが、その路線は、地域の足として、今もなお重要な役割を果たしています。

津軽急行自動車は、短期間の活動でしたが、青森県の地域交通の発展に大きく貢献した会社として、その名が記憶されています。長谷川与助の先見の明と行動力、そして津軽急行自動車の社員たちの努力が、今日の青森県の交通網の基礎を築いたと言えるでしょう。

関連会社としては、津鉄バス、弘南バスなどが挙げられます。

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