津軽郡 (陸奥国)

津軽郡（つがるぐん）

概要

津軽郡は、かつて陸奥国（現在の青森県）に存在した郡です。その領域は非常に広大で、現在の青森市、弘前市、黒石市、五所川原市、つがる市、平川市、そして東津軽[[郡]]、西津軽[[郡]]、南津軽[[郡]]、北津軽[[郡]]、中津軽[[郡]]にあたる地域を包括していました。ただし、これはあくまでも便宜的な区分であり、行政区画として正式に画定されたものではありません。郡域は、南は白神山地、北は竜飛岬までを含み、陸奥国の中で最も広い面積を誇っていました。

隣接していた郡

津軽郡は、東は北郡、南は出羽国の山本[[郡]]や秋田[[郡]]、そして陸奥国の鹿角郡と隣接していました。

歴史

津軽郡の歴史は、1664年（寛文4年）に幕府が行った朱印改め（『寛文印知』）に遡ります。この時、弘前藩の津軽信政に発行された朱印状に「津軽郡」という表記が見られます。それまで津軽地方には、平賀郡、鼻和郡、田舎郡の3つの郡がありましたが、これらを統合して3つの「庄」とし、それらを統括する郡として津軽郡が発足しました。つまり、津軽郡は、複数の郡が統合されて成立した郡であると言えます。

近代以降の沿革

明治時代に入ると、廃藩置県を経て、1878年（明治11年）に郡区町村編制法が青森県で施行されました。これにより、津軽郡は行政区画として解体され、以下の5つの郡に分割されました。

東津軽[[郡]]: 青森町などを含む地域
西津軽[[郡]]: 鯵ヶ沢町などを含む地域
南津軽[[郡]]: 黒石町などを含む地域
北津軽[[郡]]: 五所川原村などを含む地域
中津軽[[郡]]: 弘前城下などを含む地域

これらの郡は、それぞれ津軽郡から分離独立し、現在の青森県の行政区画の基礎を形成しました。

明治初年の支配状況

「旧高旧領取調帳」によると、明治初年時点での津軽郡の支配状況は以下の通りでした。

後の東津軽[[郡]]域: 弘前藩（1町137村）、黒石藩（28村）
後の西津軽[[郡]]域: 弘前藩（1町220村）
後の南津軽[[郡]]域: 弘前藩（173村）、黒石藩（1町22村）
後の北津軽[[郡]]域: 弘前藩（159村）
後の中津軽[[郡]]域: 弘前藩（1町134村）

この時点で、津軽郡には4つの城下町と873の村が存在していました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 2 青森県、角川書店、1985年12月1日。ISBN 4040010205。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

津軽地方
津軽郡 (北海道) - 北海道（渡島国）にあった同名の郡。

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