洪州郡

洪州郡の歴史と役割

洪州郡（ホンジュぐん、홍주군）は、韓国の忠清南道にあたる地域に位置し、特に洪城邑にその中心を持っていました。この郡は、行政の再編が行われた1914年に洪城郡に統合され、その後の歴史の中で数多くの変遷を経験しています。

設立と変遷の歴史

洪州の起源は、高麗時代にまでさかのぼります。995年に、運州として知られるこの地に都団練使が設置され、その後1012年に知州事に変わりました。最終的には洪州という名称が与えられました。1358年には、王師である普愚の故郷を基に州に昇格しますが、1368年には再び知州事へ降格し、1371年に再度州としての地位を取り戻すこととなりました。朝鮮時代にはこの地の重要性が引き続き認識され、時代ごとにその役割を果たしてきました。

特に世祖の治世においては鎮が設置され、顕宗時代には洪陽県に降格されるなど、行政的な変化がありました。1895年には郡に昇格するも、1914年の行政区域改編によって洪城郡に統合され、独立した地域としての姿は消えていきました。

戦争と戦略的役割

洪州はその歴史の中で多くの軍事的事件に関与してきました。660年に、羅唐連合軍が百済軍との戦闘のためにこの地に集結したのは良い例です。文武王の治世には、福信や王子豊が百済の復興を目指して戦い、多くの戦乱がこの地を襲いました。また、高麗太祖の王建がここで甄萱と戦った記録も残されています。

さらに、元宗の時代には、古道島の地域が三別抄に一時占拠されるなど、この地域は様々な軍事行動の舞台となりました。高麗後期には倭寇の侵入が相次ぎ、1803年にはイギリス商船がこの地で交易を行うべく上陸したという歴史が記録されています。

行政上の重要性

洪州は、朝鮮時代において忠清道の5つの鎮の1つである洪州鎮管を持ち、牧使が兼任する僉節制使が地域の4郡12県を所轄していました。このように、地域の行政をまとめる重要な役割も担っていました。

また、浅水湾南の元山島は、三南地方の税穀船が集中する戦略的な場所であり、毎年春から秋にかけて水軍がこの地域を護る役割を果たしました。同時に、看月島は古くから牡蠣の名産地としても知られており、地域の経済と発展に寄与してきたのです。

現代の洪州

1914年以降、洪州はその独立した郡としての歴史を閉じ、洪城郡に組み込まれましたが、かつての歴史や文化の名残は地域に色濃く残っています。古代から近代にかけて、多様な歴史を持つ洪州の地域は、韓国の豊かな文化の一翼を担っていると言えるでしょう。

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