洲埼 (給油艦)

洲埼（すのさき）

洲埼は、日本海軍が運用していた給油艦であり、同型艦は存在しない特異な存在です。この艦名は千葉県房総半島の南西端に位置する岬の名前に由来していますが、現在は「洲崎」と表記されています。東京湾の入り口にあたるこの地点は、艦の名前の由来として非常に意義深いものでした。さらに後にこの艦名は、洲埼型給油艦の初号艦として受け継がれました。

概要

洲埼は、1916年に横須賀工廠で建造が始まりました。この艦は、同じく1915年度計画で建造された「志自岐」に続く艦で、設計では石油搭載量が7割も増加し、艦隊随伴のために速力も14ノットにまで向上されました。1917年の初頭に製造の訓令が出され、1918年の6月22日に進水を果たしました。その後9月に正式に竣工し、翌月から実運用が開始されました。

本艦は、最初「洲埼丸」として大阪商船に運行を委託され、1918年10月に引き渡されました。当時は第一次世界大戦の最中であり、国際的な配慮から他国の領域で軍艦の行動を控える必要があったため、このような措置が取られました。大戦が終わると、1919年には特務船に復帰し、同年に大阪商船からの引き渡しを受けました。

1920年に特務艦艇類別標準が制定されると同時に、洲埼も特務艦に編入され、運送艦としての任務を引き継ぎました。最初の輸送任務では、土崎から横須賀への重油輸送が行われましたが、1,809トン搭載後に中止となり、そこから「志自岐」に続いてボルネオからの重油輸送を担当しました。この任務は1937年まで続き、その後もアメリカやボルネオからの石油輸送が主な任務となっていました。1938年には中国方面への給油活動も行いました。

除籍と解体

当艦は1940年の4月1日に除籍され、「廃艦第14号」として仮に名付けられました。艦の改修と再就役の計画も検討されましたが、財源の関係から実現はしませんでした。最終的には1942年に解体されることとなりました。

特務艦長および艤装員長

艦の運用にあたっては、多くの指揮官が任務にあたりました。艤装員長は武富咸一中佐が1918年から艦の竣工までの間、指揮を執りました。以降では太田千尋中佐が長期間指揮し、さらに副島慶一中佐など、多くの指揮官が艦を指揮しました。それぞれの艦長のもとで、洲埼は任務を遂行し続けました。

全体を通して、洲埼は日本海軍における重要な役割を果たし、特に重油輸送などにおいてその実績が評価されています。その艦歴は、当時の海軍の動向を反映したものであり、艦としての使命を全うしていました。

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