洲埼 (軽質油運搬艦)

洲埼（すのさき）について

日本海軍の給油艦「洲埼」は、軽質油運搬艦の洲埼型給油艦の第一艦です。艦名は千葉県房総半島の洲崎に由来し、同名の艦から2代目となります。この艦は1939年（昭和14年）に三菱重工業横浜船渠にて建造され、1943年（昭和18年）5月15日に竣工しました。横須賀鎮守府に所属し、連合艦隊に付属しました。

艦歴の概要

「洲埼」の戦歴は、断片的な情報しか伝わっていませんが、艦の任務は給油や燃料補給に特化していました。艦が竣工した後、佐世保に移動し、6月15日には特務艦「足摺」とともに船団を組んで南方に向けて出港しました。

これは日本海軍において重要な船団であり、当時の戦況下で燃料供給の任務は非常に重要でした。この旅の途中で「洲埼」は、特設運送艦や陸軍のタンカーと共に、香港経由でシンガポールに到着しました。

特に注目すべきは1944年の春頃の活動です。この頃、「洲埼」はバリクパパンへ向けて航行中、船団を組んでサイパン島に向かいましたが、途中でアメリカ艦隊の情報を受けてプランを変更し、サイパン島に到着します。ここで燃料を陸揚げした後、再びバリクパパンに向けて出発したのです。

戦局の変化と艦の運命

「洲埼」はその後も、バリクパパンとタウィタウィ、パラオ間での燃料補給を行います。その後の戦局では、艦は特設運送船と共に補給部隊に属し、マリアナ沖海戦の後に南西方面艦隊に配属されました。

しかし、戦局が悪化していく過程で「洲埼」はアメリカの潜水艦に発見され、攻撃を受けました。1944年8月1日、アメリカ潜水艦「パファー」による攻撃により、「洲埼」は2度も魚雷に命中し、一部損傷を受けます。その後、艦はマニラに避難し、一時修理を行いましたが、修理中にも攻撃を受けて大火災が発生します。

この火災によって艦は修理を完了する前に放棄され、最終的には1945年3月10日に除籍されました。艦は数々の任務を遂行し、日本海軍における重要な役割を果たしましたが、最終的には悲劇的な結末を迎えることとなりました。

歴代艦長

「洲埼」には数人の艦長が就任しており、艤装員長には新美和貴大佐が就任しました。特務艦長としては、新美和貴大佐が1943年5月から11月にかけて指揮したほか、他の艦長たちも艦の運営に携わりました。これにより、艦はその短い任期の間に様々な経験を積むことができました。

まとめ

「洲埼」は日本海軍の歴史の中で、燃料供給という非常に重要な役割を担っていました。時代の波に翻弄されながらも、その任務を果たし続けた艦の歴史を振り返ることで、当時の海軍の苦悩や努力を知ることができます。最終的には沈没してしまったものの、「洲埼」の存在は海軍にとって貴重なものであったと言えるでしょう。

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