流し満貫

流し満貫（ながしマンガン）

流し満貫とは、麻雀における特殊な役の一つです。通常の和了とは異なり、手牌の形ではなく、捨て牌によって成立するかどうかが決まります。

成立条件

流し満貫が成立するためには、以下の条件を満たす必要があります。

1. 流局時に、自分の捨て牌が全て么九牌（ヤオチューハイ：一九字牌）であること。
2. 自分が捨てた全ての么九牌が、他家によって一枚も鳴かれていないこと。

これらの条件を満たしていれば、手牌がどのような形であろうとも、流し満貫が成立します。ただし、四開槓や四家立直などによる途中流局の場合、それまでの捨て牌が全て么九牌であっても、流し満貫は成立しません。

得点

流し満貫は、放銃者がいない状況で成立するため、ツモ和了とみなされます。通常は満貫として扱われますが、ルールによっては倍満や三倍満として扱われることもあります。また、三人麻雀では役満として扱われることも少なくありません。

複数の人が同時に流し満貫を達成した場合、ダブロンやトリプルロンのルールによって点数の処理が変わります。ダブロンやトリプルロンありのルールでは、完成させた者同士で点数を相殺しますが、なしのルールでは、特定の順番で最も早く和了したとみなされる人が和了者となります。

扱い

流し満貫は、特殊な役であるため、採用するかどうかはルールによって異なります。採用する場合でも、和了役として扱うか、流局として扱うかで扱いが変わります。

和了役として扱う場合: ノーテン罰符の収受は行われず、供託リーチ棒は流し満貫を完成させた人が回収します。親が流し満貫を完成させた場合は、連荘となります。
流局として扱う場合: ノーテン罰符の収受が行われ、流し満貫の点数授受は行われません。その後、積み棒を増やして、親がテンパイなら連荘、ノーテンなら輪荘となります。

採用状況

流し満貫の採用状況はルールによって異なります。競技麻雀では採用されないこともありますが、一般的なルールでは採用されていることが多いです。

歴史

流し満貫は、中国麻雀には存在せず、日本で考案されたルールです。昭和20年代に生まれ、リーチ麻雀の普及とともに広まりました。

その他

流し満貫は、成立させるために17〜18枚の么九牌を捨てる必要があるため、国士無双を狙う方が期待値が高いと言われています。しかし、国士無双は警戒されやすく、他家の鳴きを許してしまう可能性もあります。一方、流し満貫はタンヤオ狙いと区別がつきにくく、特定の牌を独占されることによる阻止も少ないため、成立しやすいという考え方もあります。

三人麻雀においては、么九牌の総枚数が変わらない一方で中張牌が少ないため、么九牌を捨てやすい状況にあります。しかし、流局自体が少ないため、流し満貫の成立は難しいと見る人もいます。

関連項目

麻雀の役一覧
麻雀用語一覧

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