浅利昌哉

浅利昌哉：類まれな才能と不屈の精神で彩られた柔道人生

1995年、北海道伊達市に生まれた浅利昌哉選手は、5歳から柔道の道を歩み始めます。左組みを駆使し、体落、背負投、そして寝技、とりわけ腕挫十字固を得意とする彼のスタイルは、数々の対戦相手を翻弄してきました。

中学生時代は、全国中学校柔道大会で60kg級2位という好成績を収めます。東海大学付属第四高等学校に進学すると、インターハイ2位、全国高校選手権優勝と、頭角を現し始めます。高校3年時のインターハイでは3位という結果に終わりますが、この経験が彼の更なる成長の糧となったことは間違いありません。

東海大学へ進学後は階級を66kg級に上げ、全日本ジュニアで5位入賞。しかし、その潜在能力は留まることを知りませんでした。2年次には全日本ジュニアで優勝、続く世界ジュニア選手権では、準決勝でアゼルバイジャンの強豪をGSで制し、決勝でもスペインの選手を腕挫十字固で破り、個人戦優勝という快挙を成し遂げます。団体戦でもチームの優勝に貢献し、その実力を世界に示しました。同年のグランプリ・ブダペストでは、準決勝まで4試合全てを腕挫十字固一本勝ちで勝ち上がりましたが、決勝では惜しくも敗れ準優勝となりました。

大学卒業後は、綜合警備保障所属となり、同時に東海大学の大学院へ進学。全日本実業団柔道体重別選手権で2位入賞を果たします。その後、東海げんき整骨院クラブを経て神奈川県警察へと所属を移します。

警察柔道においても、浅利選手の活躍は目覚ましいものがありました。2022年の全国警察選手権団体戦では、全試合一本勝ちという圧倒的な強さで決勝まで勝ち進みますが、惜しくも準優勝。講道館杯では3位に入賞しました。しかし、彼はそこで終わることはありませんでした。2023年の全国警察選手権団体戦では、決勝まで一本勝ちを続け、神奈川県警察の20年ぶりの優勝に大きく貢献しました。2024年にはシニア体重別で優勝、全国警察選手権団体戦でも優勝を果たし、その実力を改めて証明しています。

彼のキャリアは、常に挑戦と成長の連続でした。60kg級時代から66kg級への階級変更、そして大学から社会人、警察への移籍。それぞれのステージで幾多の試練を乗り越え、更なる高みを目指し続けてきました。持ち前の明るさと強い精神力、そして研ぎ澄まされた技で、これからも日本の柔道界を牽引していく存在となることは間違いありません。彼の今後の活躍から目が離せません。

主な戦績

60kg級
2010年：全国中学校柔道大会 2位
2011年：全日本カデ 2位
2012年：インターハイ 2位
2013年：全国高校選手権 優勝
2013年：インターハイ 3位
66kg級
2014年：全日本ジュニア 5位
2015年：全国体育系学生柔道体重別選手権大会 優勝
2015年：全日本ジュニア 優勝
2015年：世界ジュニア 個人戦 優勝、団体戦 優勝
2016年：グランプリ・ブダペスト 2位
2016年：学生体重別 3位
2017年：体重別団体 優勝
2018年：実業個人選手権 2位
2019年：実業個人選手権 5位
2021年：実業個人選手権 優勝
2022年：全日本柔道強化選手選考会 5位
2022年：全国警察柔道大会 2位
2022年：講道館杯 3位
2023年：全国警察柔道大会 優勝
2024年：シニア体重別 優勝
2024年：全国警察柔道大会 優勝
2024年：全国警察柔道大会 団体戦 優勝

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