浅野孟府

浅野孟府の略歴と作品

浅野孟府（あさの もうふ）は、1900年1月4日に東京都渋谷区に生まれた日本の彫刻家です。彼は昭和時代初期において、前衛美術運動に参加し、独自の芸術スタイルで多くの人々に影響を与えました。本名は猛夫であり、整った彫刻技術を持っていましたが、正式な美術教育については東京美術学校（現在の東京芸術大学）の塑造科に在籍したものの、中退しています。

学業と初期の活動

浅野は1913年に東京府立工芸学校（現在の東京都立工芸高校）に入学し、1917年に卒業後は戸田海笛に木彫を学びました。1920年には岡本唐遣と共に生活しながら東京美術学校に通い、すぐに彼の才能を発揮する機会が訪れました。1922年、院展にて彼の石膏像が入選し、これを契機に芸術界での活動が本格化します。1923年、第10回二科展においても「肖像」が入選し、彼の名前は広まりました。

1925年には築地小劇場で行われた「劇場の三科」に出演し、1927年にはサトウハチローらの後援で「ラリルレロ玩具製作所」に参加します。この時期、彼は東京美術学校を除籍されましたが、その後も盛んな活動を続けました。

彫刻活動と国際的な交流

1929年、浅野は堀野正雄らと共に「国際光学協会」を結成し、同年には長男の翼が誕生します。彼は昭和11年（1936年）には映画「新しき土地」の特殊美術を担当し、ジオラマ制作に携わるなど、彫刻家としての幅広い才能を発揮します。

1950年には西宮球場で開かれたアメリカ博のためにリンカーン像を制作し、1955年には二科会を脱会し一陽会の会員となりました。このように、浅野はさまざまな芸術運動に関与し、時代の潮流を捉え続けました。

代表作と受賞歴

1972年には「大阪の女」や「青年像」を制作し、大東市民会館に設置されることとなります。1973年には大阪芸術賞を受賞し、彼の彫刻作品が高く評価されるようになりました。1980年には、大阪南港ポートタウンに「カーニバル」を設置し、作品の幅広い展開を見せました。

最晩年

浅野孟府は1984年4月16日に肝硬変のため亡くなりました。彼の生涯にわたる彫刻活動は、日本の美術界において多大な影響を及ぼし、今もなお多くの人々に親しまれています。彼の作品、特に「レーニン像」「原爆母子像」「テラコッタの馬」「方形婦女」などは、今なお日本美術の重要な一部として評価されています。浅野孟府の名は、彫刻の世界において永遠に刻まれることでしょう。

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