浅間 (装甲巡洋艦)

装甲巡洋艦「浅間」

装甲巡洋艦「浅間」は、大日本帝国海軍に属する一等巡洋艦であり、浅間型装甲巡洋艦のネームシップです。艦名は、群馬県と長野県の境に位置する浅間山に由来しています。日本海軍の正式な文書では旧字体の「淺間」が用いられることがありますが、本記事では便宜上「浅間」を用います。

艦歴の概要

「浅間」の建造はイギリスのアームストロング・ホイットワース社によって行われ、1896年の10月20日に起工されました。1897年の10月には艦名が決定され、同年の10月21日には横須賀鎮守府に配属されます。1898年には、海軍の艦艇区分において正式に一等巡洋艦として認定され、翌年の3月には進水、同年の3月18日に竣工しました。

就航後、「浅間」はさまざまな任務に従事しました。1900年には義和団の乱に出撃、さらに1902年にはエドワード7世の戴冠式に際してイギリスに派遣されています。また、明治天皇の御召艦として観艦式にも頻繁に参加しました。

日露戦争においても「浅間」は活躍しましたが、編入先によっては出撃の機会が限られることもありました。特に仁川沖海戦や日本海海戦では重要な役割を果たし、戦闘初期に被弾したものの、致命的な損傷を免れました。

メキシコでの事故

第一次世界大戦中は、太平洋におけるドイツ領への攻撃に参加しました。しかし、1914年12月31日にメキシコのマグダレナ湾で座礁事故を起こし、航行不能となりました。この事故は日本海軍にとって重大な問題となり、アメリカ海軍も調査のため派遣されました。アメリカの報道においては、日本が故意に座礁させたとの誤解が広がることになり、両国間の緊張が高まる要因ともなりました。

戦後の経緯

1921年には艦種が一等海防艦に変更され、1935年には再度座礁事故を起こしました。経年劣化や座礁による損傷が響き、1942年には艦籍から削除され、練習特務艦へと移行しました。この後、浅間は主に海軍兵学校の訓練艦として用いられました。

第二次世界大戦を経て、1945年に除籍され、1947年には解体されました。多くの艦長が指導してきた歴史は、この艦が日本海軍にどれほど重要だったかを物語っています。

その他の情報

「浅間」はその歴史的意義だけでなく、映画制作にも関与しました。1935年、円谷英二を起用した記録映画『赤道を越えて』の撮影に協力しています。また、艦内でペットとして犬「たま」を飼育していたことも注目される点です。

「浅間」は、将軍履歴や官報に基づく艦長も多く存在し、長きにわたる日本海軍の歴史の中で重要な役割を果たしてきました。

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