浜田城 (伊勢国)

浜田城の歴史と構造

浜田城（はまだじょう）は、三重県四日市市鵜の森一丁目に位置していた平城です。四日市市の指定記念物として、当地の歴史的な遺構として重要視されています。浜田城の跡は、現在では鵜森神社および鵜の森公園として整備され、訪れる人々に歴史の足跡を伝えています。

浜田城の概要

浜田城は文明2年（1470年）、田原忠秀によって築かれました。田原氏は、元々上野国の赤堀庄に居住していましたが、応永年間に田原景信が伊勢に移り、四日市に城を構えたことから始まります。景信は、長男の盛宗を羽津に、次男の秀宗を赤堀に、三男の忠秀を浜田に配し、彼らを赤堀三家と呼ぶようになりました。

忠秀は、浜田城の西側にあった東海道を海に近い東へ移動させ、交通の便を改善しました。また、彼の治世の下で市場も整備され、四日市という地名が生まれたとも言われています。このような施策は、地域の発展に大きく寄与しました。

検証と落城

浜田城の命運は、田原忠秀から二代後の田原元綱の時代に変わります。元綱の時、織田信長の家臣である滝川一益に攻撃を受け、城は落城してしまいました。元綱は戦いで命を落としたものの、彼の子である田原重綱は生き延び、織田信雄に仕官しました。しかし、最終的には天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いで討死し、田原家は滅亡したとされます。四日市市教育委員会によれば、浜田城の落城は天正3年（1575年）に起き、その際に城は廃城となりました。

一方で、『勢州軍記』によると、小牧・長久手の戦いの最中、滝川雄利が松ヶ島城を開城した後、浜田城に移って籠城したことも記されています。そのため、浜田城は、戦乱の時代の中で重要な役割を果たしていたことがわかります。

現在の浜田城跡

現在、浜田城の跡地は鵜の森公園として整備され、訪問者は公園内にある茶室「泗翠庵」でゆったりとしたひと時を過ごせます。また、公園内の鵜森神社には、田原忠秀をはじめとする四代の霊が祀られており、周囲には城の土塁の一部が残されています。神社の南側には池があり、これはかつての浜田城の堀の一部です。

近鉄四日市駅が近くにあり、周囲が市街地化しているため、浜田城の全容を顕現させることは難しいですが、土塁の一部は現存しており、城の歴史を感じることができます。浜田城は、その重要な歴史的背景と共に、地域の人々に愛される歴史遺産として今も存在しています。

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