浜田港

島根県浜田港：歴史と現代の貿易拠点

島根県浜田市に位置する浜田港は、島根県が管理する重要港湾であり、港則法上の特定港にも指定されています。地元では浜田漁港と区別して「商港」と呼ばれることもあります。

貿易の中心

浜田港の主な役割は、ロシアなどからの木材輸入と、セメント、石油製品、砂利・砂などの国内への搬入です。2001年には韓国・釜山港との定期コンテナ航路が開設され、国際貿易拠点としての地位を確立しました。港湾は西側の長浜港と東側の福井港の2つに分かれており、コンテナ航路は福井港、木材輸入は両港を使用、油槽所は長浜港に設置されています。浜田漁港は福井港のさらに東側に位置しています。

みなとオアシスとしての魅力

浜田港周辺地域は2016年に「みなとオアシス浜田」として登録され、浜田ポートセンターや山陰浜田港公設市場（はまだお魚市場）が観光拠点として機能しています。港湾としての役割に加え、観光客にも魅力的なスポットとなっています。

韓国航路

現在、韓国釜山港との定期コンテナ航路が週1便運航されており（運航会社：南星海運）、釜山-浜田-博多-大分-釜山のルートで結ばれています。

歴史

浜田港の歴史は、戦国時代まで遡ります。15世紀初頭、朝鮮の官船が暴風雨に遭い漂着、乗組員が地元の領主に保護されたことがきっかけで、朝鮮との交流が始まりました。78年間で49回もの交易が行われ、朝鮮からは綿布や人参などが、浜田からは刀剣や漆器などが交易されました。交易品には長浜周辺で生産されたものや、対馬を経由した南海産の物資も含まれていたと考えられています。

しかし、江戸幕府の鎖国政策によって、この貿易は途絶えました。

近代化と発展

明治時代に入ると、1896年に外国貿易港、1901年には開港場として指定され、再び国際貿易の拠点としての道を歩み始めます。対馬への出稼ぎ漁船の往復に物資を積載するという提案がきっかけとなり、朝鮮貿易が再開されました。

1955年には国鉄浜田港駅が開設され、山陰本線の貨物支線（浜田港線）が開業。港湾の機能はさらに強化されました。1967年には浜田港の全工事が完了し、1968年にはイギリスの貨物船が初入港を果たしました。1971年には天皇皇后両陛下が浜田港展望地を視察されました。その後、1982年には浜田港駅が廃止されました。

周辺港湾

浜田港周辺には、舞鶴港、境港、下関港、北九州港など、他の主要港湾が存在します。これらの港湾と連携しながら、浜田港は地域経済に貢献しています。

まとめ

浜田港は、戦国時代から続く歴史と、現代の国際貿易拠点としての役割を両立させた、重要な港湾です。木材輸入、コンテナ輸送、観光拠点としての機能を合わせ持ち、島根県の経済発展に大きく貢献しています。これからも、歴史と発展を継承し、地域社会に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索