浦山川橋梁

浦山川橋梁について

浦山川橋梁（うらやまがわきょうりょう）は、埼玉県秩父市内を流れる浦山川に架かる秩父鉄道秩父本線の鉄道橋です。この橋は、旧秩父郡荒川村に位置しており、秩父本線の一部として重要な役割を果たしています。

橋梁の概要

浦山川橋梁は、1930年（昭和5年）に完成し、秩父鉄道の三峰口延伸工事に伴って建設されました。全長は94.2メートルで、浦山口駅と武州中川駅の間に位置し、荒川の支流である浦山川を横断しています。

この橋梁の特筆すべき点は、使用されている橋桁の一部が、JR磐越西線の阿賀野川にかかる当麻橋梁から転用されたことです。元々のボルチモアトラス式に基づく橋桁は、日本国有鉄道から秩父鉄道に払い下げられたものであり、他にも安谷川橋梁や押手沢橋梁など、同様に転用された橋が存在します。これにより、浦山川橋梁はその歴史を背負った重要なインフラとして位置付けられています。

構造について

浦山川橋梁の構造は、非常に興味深いものです。中央部に位置する1支間は、ボルチモアトラスを使用した単線上路式分格プラットトラスで、残る2支間は単線上路式プレートガーダーという架け違い式の構造となっています。これにより、鉄道の通行を支えるしっかりとした構造が成立しています。

トラス部分はアメリカン・ブリッジ製であり、高い強度と安定性を持っています。一方、プレートガーダーは日本の汽車製造によって製造されており、国産技術の結晶ともいえる部分です。これらの構造的要素が組み合わさることで、浦山川橋梁は長い年月を経てもなおその機能を維持し続けています。

歴史的意義

浦山川橋梁は、その構造のみならず、歴史的背景においても特に興味深い存在です。転用されてきた橋桁は、他の橋梁と同様に、過去の技術や設計思想を現代に引き継いでいます。このような橋梁の存在は、鉄道の発展と交わった日本の近代化の一端を垣間見ることができるため、非常に価値があります。

さらに、浦山川橋梁は周囲の風景とも調和しており、多くの鉄道ファンや観光客に愛されています。特に、沿線を訪れる際には、この美しい橋梁を目にすることができ、その歴史を感じることができるでしょう。

参考文献

さらに詳しい情報を求める方には、以下の文献をお勧めします。

• - 『明治時代に製作された鉄道トラス橋の歴史と現状（第5報）米国系トラス桁その2』 (PDF) - 小西純一・西野保行・淵上龍雄著。

関連項目

• - 阿賀野川当麻橋梁 — 転用元の橋梁
• - 一ノ戸川橋梁
• - 蟹沢橋梁
• - 安谷川橋梁
• - 立場川橋梁

外部リンク

この橋について詳しく知りたい方は、歴史的鋼橋 浦山川橋梁（土木学会）で詳細なデータを訪れてください。

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