浦辺鎮太郎

浦辺鎮太郎について

浦辺鎮太郎は1909年3月31日に生まれた日本の建築家で、1991年6月8日に逝去しました。彼の出身地は岡山県児島郡粒江村で、現在の倉敷市にあたります。彼は岡山県第一岡山中学校（現：岡山県立岡山朝日高等学校の一つ）を経て、旧制第六高等学校に進学し、続いて京都帝国大学工学部建築学科を1934年に卒業しました。卒業後は倉敷レイヨン（現在はクラレ）に入社し、520年間のキャリアのうち初期の段階で営繕関連部門に勤めました。

1962年、倉敷レイヨン内に倉敷建築研究所を設立し、同社社長で故郷の先輩である大原総一郎の支援を受けて、建築の道を本格的に歩み始めました。その後、1964年には倉敷建築事務所として独立し、1966年には浦辺建築設計事務所に改称しました。この間、浦辺は大原総一郎のビジョンである倉敷のまちづくりに貢献し、1968年に彼が亡くなった後も、関連する建築物を数多く手がけたのです。

主要作品

浦辺鎮太郎の代表的な作品は多岐にわたります。以下に、彼が手がけた主なプロジェクトを時系列で紹介します。

• - 1957年: 倉敷考古館の増築、旅館「くらしき」の改造
• - 1960年: 日本工芸館、倉敷レイヨン岡山第二工場
• - 1961年: 大原美術館分館、石井記念愛染園女子単身者住宅
• - 1962年: 愛染橋保育所
• - 1963年: 倉敷国際ホテル
• - 1965年: 倉敷ユースホステル、愛染橋病院
• - 1966年: 浜幸ビル
• - 1967年: 東京女子大学研究本館
• - 1968年: 倉敷レイヨン中央研究所、黒住教新霊地神道山大教殿
• - 1969年: 倉敷文化センター（現・倉敷公民館）、西鉄グランドホテル
• - 1970年: 千里阪急ホテル
• - 1971年: 紀伊風土記の丘・松下記念資料館
• - 1972年: 倉敷市民会館
• - 1974年: 倉敷アイビースクエア、和歌山県埋蔵文化財収蔵庫
• - 1975年: 倉敷中央病院増改築第1期（中央病棟・手術棟など）
• - 1978年: 大佛次郎記念館、ホテル日航成田
• - 1980年: 倉敷市庁舎、六高記念館、倉敷中央病院増改築第2期（中央診療棟）
• - 1981年: 倉敷中央病院増改築第3期（外来棟）、横浜開港資料館
• - 1984年: 日本女子大学成瀬記念館、神奈川近代文学館

受賞歴

浦辺鎮太郎はその成果に対して評価を受けることも多く、以下のような受賞歴があります。

• - 1965年: 日本建築学会賞作品賞（倉敷国際ホテル）
• - 1975年: 日本建築学会賞作品賞（倉敷アイビースクエア）

参考文献

彼の作品や活動についてさらに知りたい方は、以下の文献をご覧ください。

• - 馬場璋造・臼田哲男 編『浦辺鎮太郎作品集』新建築社、2003年
• - 稲葉なおと 著『匠たちの名旅館』集英社インターナショナル、2013年

外部リンク

浦辺鎮太郎の仕事を見られる建築展の情報がありますので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。一連の業績を通じて、彼がいかに倉敷のまちづくりや工芸と深く結びついていたかが理解できるでしょう。

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