浪合村

浪合村（なみあいむら）

浪合村は、かつて長野県下伊那郡の南西部に位置し、岐阜県と接していた村です。2006年1月1日に阿智村に編入合併され、その歴史を閉じました。ここでは、浪合村の地理、歴史、文化、交通について詳しく解説します。

地理

浪合村は、四方を1,000m級の山々に囲まれた谷間の村でした。村内を三州街道（国道153号）が縦貫しており、交通の要衝として機能していました。江戸時代には関所が置かれ、人や物資の往来を監視する重要な役割を果たしていました。村の南部には、平谷[[村]]との境に位置する治部坂峠があり、その周辺は古くから観光地として栄え、特に中京圏からの観光客が多く訪れていました。

主な山としては、大川入山、蛇峠山、横岳が挙げられます。これらの山々が、浪合村の美しい景観を作り出していました。また、村内には和知野川、大川入川、治部坂川、恩田川などの河川が流れ、豊かな自然を育んでいました。

隣接していた自治体

浪合村は、以下の自治体と隣接していました。

長野県
下伊那郡：阿南町、阿智村、下條[[村]]、平谷[[村]]
岐阜県
中津川市

歴史

浪合村の歴史は古く、『鎌倉大草子』には、弘和年間に南朝の某宮と新田氏の残党がこの地で戦死したという記録が残されています。この記述は、この地域が古くから戦乱の舞台であったことを示唆しています。

沿革

1934年（昭和9年）4月1日：波合村が分割され、大字浪合の区域をもって浪合村が発足。残りの大字平谷には平谷[[村]]が発足しました。
2006年（平成18年）1月1日：阿智村に編入合併され、浪合村は廃止されました。

伝説

天野源蔵の『浪合記』によると、室町時代の元中2年/至徳2年（1385年）に、尹良親王（南北朝時代の後醍醐天皇の孫、宗良親王の皇子）が、三河国を目指す途中で世良田政義・親季・義秋・政親ら新田氏の残党とともにこの地で戦死したとされています。この伝説は、浪合の合戦として語り継がれています。

交通

浪合村内には鉄道は通っていませんでした。鉄道を利用する場合は、最寄りのJR東海飯田線飯田駅を利用する必要がありました。

主要な道路としては、以下のものがありました。

一般国道
国道153号（三州街道）
県道
長野県道243号深沢阿南線

名所・旧跡・観光スポット

浪合村には、以下のような名所や観光スポットがありました。

治部坂峠：古くから観光地として知られ、美しい自然が楽しめます。
浪合関所跡：かつて交通の要衝であったことを示す歴史的な場所です。
浪合神社（尹良親王墓）：浪合の合戦で戦死した尹良親王を祀る神社です。
あららぎ高原スキー場：冬にはスキーやスノーボードが楽しめる人気のスキー場です。
治部坂高原スキー場：こちらも冬のレジャースポットとして賑わいます。

関連項目

長野県の廃止市町[[村]]一覧

外部リンク

阿智村・浪合村 合併協議会（2006/03/15アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project
浪合村 - ウェイバックマシン

浪合村は、その美しい自然、歴史、そして伝説が融合した魅力的な村でした。現在は阿智村の一部となっていますが、その歴史と文化は今もなお人々の心に生き続けています。

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