浪合神社

浪合神社の概要

浪合神社（なみあいじんじゃ）は、長野県下伊那郡阿智村浪合（旧浪合村）に鎮座する神社です。この神社は、後醍醐天皇の皇孫である尹良親王（いら しんのう）を祭神として祀っています。

神社の創建は延宝年間（1673年 - 1681年）と伝えられており、歴史を感じさせる佇まいが特徴です。尹良親王は、江戸時代に記された軍記物語『浪合記』や『信濃宮伝』に登場する人物で、物語上では南朝の征夷大将軍として描かれています。親王は上野国から三河国へ向かう途中、1424年（応永31年）にこの地で北朝側の襲撃を受け、命を落としたとされています。

神社の境内には、親王の御首を埋めたとされる墓所があり、そのそばに神社が建てられています。墓所は境内の西側に位置しており、1881年（明治14年）に正式に親王墓と比定されたため、現在は宮内庁の管理地として一般の立ち入りが制限されています。

境内と歴史

境内には、親王を供養するために近年になって建てられた供養塔のほか、宮内大臣渡辺千秋による「尹良親王御旧跡の碑」や、親王の事蹟調査のために明治天皇の勅使として藤原公業が当地を訪れたことを記念する「勅使参向の碑」などがあります。これらの碑は、親王の歴史とこの地との深い関わりを物語っています。

また、1909年（明治42年）には、村内にあった八幡社と諏訪社が合祀され、現在の浪合神社となりました。これにより、地域の人々の信仰の中心としての役割も担っています。

参道は阿智村立浪合小中学校の脇からおよそ600メートル続いていますが、神社近くまで車で迂回することも可能です。

アクセス

自家用車でのアクセス

国道153号浪合交点から県道243号を浪合集落方面へ約1.5km進む（途中、側道への分岐があります）。

公共交通機関でのアクセス

西部コミュニティバス「浪合」バス停から約2km（徒歩、参道を含む）です。

参考文献

* 『信州の文化シリーズ 寺と神社』（ 信濃毎日新聞社、1981年）

浪合神社は、静かで歴史を感じられる場所です。訪れる際には、親王の足跡を辿りながら、ゆっくりと時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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