浴びせ倒し

浴びせ倒しとは

浴びせ倒しは、主に以下の2つの意味を持つ言葉です。

1. 相撲の決まり手: 四つに組んだ体勢から、自分の体重を相手にかけ、のしかかるようにして倒す技。
2. 林業における危険作業: かかり木を処理する際に、他の立木を伐倒してかかり木にぶつけ、外す方法。労働災害が多発し、現在は禁止。

本記事では、相撲の決まり手としての「浴びせ倒し」について詳しく解説します。

相撲の決まり手「浴びせ倒し」

浴びせ倒しは、相撲における基本的な決まり手の一つです。具体的な動作としては、以下のようになります。

四つに組んだ状態から、相手に密着する。
自分の体重を預け、相手の上体を崩す。
そのまま、のしかかるようにして相手を土俵に倒す。

吊り技が失敗し、自身が土俵に倒れてしまった場合に、結果として相手に浴びせ倒しが決まるケースもあります。

寄り倒しとの違い

浴びせ倒しと似た決まり手に「寄り倒し」があります。これらの区別はしばしば難しいですが、おおまかな目安として、以下の点が挙げられます。

浴びせ倒し: 相手を土俵内で倒す。
寄り倒し: 相手を土俵外に倒す。

ただし、土俵内で倒した場合でも、勢いが弱い場合は寄り倒しと判断されることがあります。

英語では"Backward force down"と表現されます。

浴びせ倒しの例

1969年7月場所千秋楽の優勝決定戦で、大関清國が前頭5枚目藤ノ川を浴びせ倒しで下し、新大関で初優勝を飾った例があります。

柔道における浴びせ倒し

柔道においては、浴びせ倒しは講道館ルールでは技として認められていません。IJFルールでは、相手を制していないと判断され、投げ技としての評価は得られません。

靠れ込み（もたれこみ）について

現在、公式の決まり手としては採用されていませんが、浴びせ倒しに分類される技の中には、古くは「靠れ込み」として区別されていたものがあります。

靠れ込み: 不安定な体勢で相手に体を預け、もたれかかって倒す。
浴びせ倒し: 寄りを堪えようとする相手が反り身になった際に、上から覆いかぶさって倒す。

公式な決まり手が制定される以前は、「靠れ込み」として報道・記録された取り組みも多く存在しました。

靠れ込みの例（三役以上）

昭和3年10月場所4日目: 玉錦（関脇）が朝光を靠れ込みで破る。
昭和17年5月場所12日目: 笠置山（関脇）が小松山を靠れ込みで破る。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧
寄り倒し

外部リンク

* goo大相撲・清國のページ (浴びせ倒しによる優勝の瞬間の動画が閲覧可能)

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