海上自衛隊の個人装備

海上自衛隊の個人装備

海上自衛隊の隊員が使用する個人装備は、任務や状況に応じて多岐にわたります。ここでは、服装、火器、装具を中心に、その詳細を解説します。

服装

戦闘服装

海上自衛隊の基本的な服装として「戦闘服装」があります。これは以下の要素で構成されます。

作業服と作業帽（あご紐を必ず締める）
右臀部ズボンポケットに軍手
ズボンベルト後部にフェイスタオルまたは手ぬぐいをかけ、左臀部ズボンポケットに収納
ズボン裾を靴下に入れるか、ゴムバンドで絞る
短靴1型

この服装は、当直員の防火隊や応急隊編成時、艦艇の出入港時、航海中に特に求められます。「戦闘服装を整える」とは、上記服装を着用することを意味します。

作業その他

艦艇部隊では、部隊被服として「戦闘服」が貸与されることがあります。これは旧型の作業服に似た形状で、左肩に「MSDF」のワッペンが付いています。また、酷暑用や整備作業用の作業服も存在します。

2012年度からは、アメリカ海軍のNWUに似たデジタルドットパターンの「陸上戦闘服2型」と「戦闘帽」が導入されました。これは陸上自衛隊の迷彩服3型や航空自衛隊の新型作業服と似た裁断で、上衣がファスナー止めである点が特徴です。海曹以上の階級章は襟に付けます。

警備用

自隊警備（陸上警備を含む）の際には、「乙武装」と「甲武装」の服装が用いられます。

乙武装:

作業服と作業帽
軍手とフェイスタオルまたは手ぬぐい
陸警靴（陸上自衛隊の半長靴と同様）または短靴と脚絆
弾帯

艦艇以外の部隊では、陸上自衛隊の旧作業服に似た「陸警服」が貸与されることがあります。

甲武装:

幹部、曹士の制服装
脚絆、弾帯、鉄帽

これは観閲行進時の服装に鉄帽を被ったものです。

海上自衛隊では、護衛艦や陸警隊に戦闘用の個人装備が配備されており、被服や装具は基本的に黒色ですが、陸警隊には迷彩服2型が支給されています。

火器

海上自衛隊では、様々な火器が使用されています。

拳銃: 9mm拳銃、SIG SAUER P226
機関けん銃: 9mm機関けん銃、H&K MP5A5、SIG MPX
小銃: 64式7.62mm小銃、89式5.56mm小銃、20式5.56mm小銃
散弾銃: ウィンチェスターM1300、ベネリM3T
機関銃: 62式7.62mm機関銃（5.56mm機関銃MINIMIで代替）、5.56mm機関銃MINIMI、74式車載7.62mm機関銃
重機関銃: 12.7mm重機関銃M2
その他: 21.5mm信号けん銃、閃光発音筒1形（スタングレネード）、HK416、警備銃（催涙弾投擲銃）、てき弾投射器（HK69）、狙撃銃（MSG90）、対物狙撃銃（M82）

近年では、89式小銃や20式小銃の調達も確認されています。

被服

特殊な任務や状況に対応するため、以下の被服も使用されます。

立入検査服
迷彩服2型（陸上戦闘服1形）
特別警備服
陸上戦闘帽2形
陸上戦闘服2形、外衣2形
半長靴2形
顔面覆
立入検査帽、手袋
半長靴、靴
防寒服装一式

装具

隊員の安全と任務遂行を支援するため、以下の装具が使用されます。

鉄帽: 88式鉄帽（灰色）、ABS樹脂製ヘルメット、ACH、FASTヘルメット
ゴーグル: バリスティックゴーグル
防弾チョッキ: 海上用、搭乗員用、立入検査隊用、1型特殊
その他: 弾帯、弾帯吊りバンド、弾入れ、レッグホルスター、タクティカルベスト、00式個人用防護装備、防水無線機、リブリーザー（CCR）、保護スーツ、フィン

その他

警備犬
LRAD

これらの装備は、海上自衛隊の隊員が様々な任務を安全かつ効果的に遂行するために不可欠です。装備は常に更新され、最新の技術や戦術に対応できるよう進化を続けています。

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