海兵遠征部隊

海兵遠征部隊（MEU）

海兵遠征部隊（Marine Expeditionary Unit, MEU）は、アメリカ海兵隊に属する特別な任務のための部隊です。大佐が指揮官を務め、最大で約2200名の兵士で構成されるこれらの部隊は、地上戦闘や航空支援、兵站支援など多岐にわたる役割に対応できるように編成されています。

編成の歴史と背景

1963年、海兵隊は「Marine Corps Order 3120.3」を発行し、海兵空地任務部隊（MAGTF）の編成を正式に定めました。この時、従来の大隊上陸チーム（BLT）が進化し、MEUが形成されました。MEUは、迅速な展開と多様な任務に対応できるように設計されています。

MEUの構成要素

MEUは、以下のような3つの主要な部隊で構成されています：

1. 指揮部隊（CE）
MEU司令部と武装偵察部隊、航空・艦砲射撃連絡部隊、民事部隊などで構成され、戦略的な意思決定を行います。

2. 地上戦闘部隊（GCE）
歩兵大隊を基幹とし、戦車や砲兵、軽装甲偵察、小型の水陸両用強襲小隊などから編成された部隊です。この部隊は、国や地域の状況に応じて、約1200名で構成されています。

3. 航空戦闘部隊（ACE）
中型ティルトローター機を含む集成飛行隊（Composite Squadron）を中心に、攻撃ヘリコプターや固定翼機、輸送機を用いた航空支援を提供します。

4. 兵站戦闘部隊（LCE）
憲兵、整備、医療、工兵、通信、爆発物処理、補給、上陸支援などの小隊や分遣隊から成り、全体の運用を円滑に進めるためのバックアップを行います。

洋上展開の特徴

MEUの特徴的な点は、平時から交代で洋上に待機し、迅速に展開できる体制を持っていることです。以前はBLTがその任務を担っていましたが、MEU発足により、海軍の揚陸艦に搭載される形で両用即応群（ARG）が編成されるようになりました。特に1970年代には、統合参謀本部が平時に西太平洋や地中海、カリブ海にARGを展開する方針を示しました。

冷戦終結後も、この体制は維持されており、太平洋地域では各MEUが9か月間の陸上訓練の後、6か月間の洋上展開に入ります。このサイクルの中で、最初の3か月は部隊の準備と再編成に充てられ、次の6か月は実際の訓練や演習が行われます。

配備と演習

各MEUは、重要な演習や任務に備え、常に高度な準備状況を維持しています。これにより、最悪の事態に対する対応力を高め、迅速に行動することが可能です。また、最近の状況によると、ARGと戦闘艦や攻撃型原子力潜水艦を組み合わせた新しい編制である遠征打撃群（ESG）が導入され、柔軟な運用が模索されています。

主要な部隊一覧

• - 第11海兵遠征部隊（カリフォルニア州サンディエゴ）
• - 第13海兵遠征部隊（カリフォルニア州サンディエゴ）
• - 第15海兵遠征部隊（カリフォルニア州サンディエゴ）
• - 第22海兵遠征部隊（ノースカロライナ州ジャクソンビル）
• - 第24海兵遠征部隊（ノースカロライナ州ジャクソンビル）
• - 第26海兵遠征部隊（ノースカロライナ州ジャクソンビル）
• - 第31海兵遠征部隊（沖縄県金武町）

このように、海兵遠征部隊は多様な任務を遂行するために編成されており、海兵隊の中でも重要な役割を担っています。

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