海南湯浅道路

海南湯浅道路：阪和道への変遷と進化

海南湯浅道路は、かつて和歌山県有田郡有田川町から海南市を結んでいた自動車専用道路でした。現在は阪和自動車道の一部として、その役割を引き継いでいます。ここでは、海南湯浅道路の歴史、構造、そして阪和自動車道への編入後の変化について詳しく解説します。

道路の概要と変遷

1972年に施行命令が出された海南湯浅道路は、1984年に開通しました。当初は完成2車線で、一般道に近い規格でしたが、湯浅御坊道路との接続により交通量が増加し、渋滞が頻発するようになりました。1998年には高速自動車国道としての4車線化が決定され、2005年に阪和自動車道へ編入されました。

阪和自動車道への編入に伴い、通行料金が大幅に値下げされました。しかし、トンネル区間が多いため、建設コストが高く、キロ当たりの料金は他の区間よりも高く設定されています。

4車線化工事と構造

阪和自動車道編入後、4車線化工事が行われました。各IC付近での車線切り替えや、有田ICでの県道との接続ランプ追加など、大規模な工事が行われました。また、下津ICでは合流車線の延長、藤白トンネルでの坑門構築など、安全性を向上させるための改修も行われました。

2010年には下り線が、2011年には上り線がそれぞれ片側2車線化され、最高速度も80km/hに向上しました。

計画諸元

起点：和歌山県有田郡吉備町（現有田川町）水尻
終点：和歌山県海南市藤白
全長：9.8km
車線数：完成2車線 → 暫定2車線（完成4車線）→ 4車線化
幅員：6.5m（片側3.25m）→ 7.0m
設計速度：60km/h → 80km/h
道路規格：第1種第4級普通道路 → 第1種第3級普通道路

沿革

1972年10月7日：一般有料道路として施行命令
1984年3月28日：海南IC - 吉備町国道42号接続部が開通
1994年7月11日：吉備町天満で湯浅御坊道路と接続
1998年12月25日：近畿自動車道紀勢線として4車線化施行命令
2005年4月1日：阪和自動車道に編入

インターチェンジ

阪和自動車道編入時のインターチェンジは以下の通りです。

海南IC
下津IC
有田IC

主なトンネルと橋梁

藤白トンネル：上り1,810m、下り2,136m
下津トンネル：上り1,240m、下り1,290m
長峰トンネル：上り3,831m、下り4,047m（和歌山県内最長）
* 有田川橋梁

海南湯浅道路は、阪和自動車道の一部として、和歌山県の交通を支える重要な役割を果たしています。その歴史と進化を辿ることで、日本の道路行政の一端を垣間見ることができるでしょう。

もう一度検索