海洋漁業科学館

海洋漁業科学館の概要

海洋漁業科学館（英名：Science Museum of Oceanography and Fisheries）は、石川県鳳珠郡能登町に位置する科学館で、「うみとさかなの科学館」という愛称で知られています。この施設は、石川県水産総合センターが管理運営を行っており、サステイナブルな水産業の振興と海洋に関する知識の啓発を目的としています。

外観と展示

同館の建物は、船の形を模したユニークなデザインが特徴です。また、館の入口脇には水深約30cmのプールがあり、廃船「禄剛丸」が展示されています。この本物の船は、名所である禄剛崎からその名を取ったもので、訪れる人々に海と漁業の歴史を感じさせます。バリアフリー設計が施されているため、車椅子を利用する方でも安心して訪れることができます。

教育プログラム

科学館では、海の神秘や魚の生態を学ぶための様々なコーナーが設けられています。訪問者は魚の成長過程や内臓の働きについて学び、また、自転車を使って魚の泳ぐ速さを体験することができます。さらに、魚と漁師の知恵比べを通じて、漁業の実際を身近に感じることができる内容が用意されています。特に「オーシャンシアター」では、能登地域の海を擬似体験できる映像が上映され、まるで海にいるかのような感覚を楽しむことができます。

体験型ワークショップ

また、海洋漁業科学館では、体験型の工作教室も定期的に開催されています。内容は毎月変更され、壁掛け工作やビン玉編み込み、イカとっくりの製作など多岐に渡ります。子供たちは手を動かしながら工夫を凝らし、より実践的に海の生物や漁業について学ぶことができます。

歴史

この科学館は1994年（平成6年）に開館し、地域の水産業の振興に努めてきました。しかし、2024年（令和6年）1月1日に発生した能登半島地震では、施設内に損傷が生じ、臨時休館を余儀なくされました。このような自然災害による影響を乗り越えて、再び地域に貢献していくことが期待されています。

アクセス

海洋漁業科学館へのアクセスも様々な方法で可能です。鉄道では七尾線からのと鉄道のターミナルである穴水駅を利用し、北鉄奥能登バス能登高校南で下車し、徒歩2分ほどで到着します。高速バスや自動車利用の場合も金沢からのアクセスが良く、のと里山海道の穴水インターチェンジから徒歩圏内です。また、のと里山空港からも約20キロの距離で、旅行者には利便性の高い立地となっています。

その他の情報

科学館では、予約した小学生・中学生を対象にした「海と魚の不思議なんでも相談室」も設けており、水産総合センターの研究員が質問や相談に応じます。開館時間は9時から17時までで、入館は16時30分までとなっています。休館日は毎週月曜日と年末年始ですが、祝日には開館しています。団体での訪問や工作教室を希望する場合は事前の連絡が必要です。

海洋漁業科学館は、学びと体験を通じて、海の魅力や水産業の重要性を伝える貴重な施設です。

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