海洋観測艦

海洋観測艦について

海洋観測艦（かいようかんそくかん）は、軍艦と調査船の特性を併せ持つ艦で、海洋の観測を専門に行う目的の艦です。艦種記号はAGS（Auxiliary OceanoGraphic Research Ship）で示されます。主な任務は、海底の地形や底質、または磁気雑音など、潜水艦作戦やその他の軍事行動に影響を及ぼす自然環境のデータを収集することです。

概要

軍事作戦、特に潜水艦による行動や機雷戦においては、海上だけでなく、海中や海底の状況を十分に理解することが重要です。このため、必要な海洋情報を備えた艦が求められ、その役割を担うのが海洋観測艦です。測量艦や民間の海洋調査船と類似の機能を持つ部分もありますが、海洋観測艦は基本的に軍事目的に特化しており、陸地の測量や生物の調査などはほとんど行いません。

主にデータとして集められるのは、海底の地形や底質、潮流や海流、地磁気、さらには水質（例えば水温や塩分など）です。これらの情報は、潜水艦の航行ルートや機雷の設置可能ポイントの判断に不可欠です。また、水質情報は、ソナーによる探知や音響の伝播に直接関わるため、大変重要です。

艦の装備

海洋観測艦には、海洋調査用の各種観測器具が搭載されており、海底地形などの詳細な調査を行う際には、高度な航法装置やスラスタと呼ばれる推進装置も備えられていることがあります。これらの艦は通常、補助艦船として扱われ、武装されていないことが一般的です。ブートする際には、その秘匿性や戦略的意義から、機密保持が強く求められます。このため、海上自衛隊の艦船においては、特に敷設艦や海洋観測艦、音響測定艦などの詳細は公開されていません。

海上自衛隊の海洋観測艦

海上自衛隊には、多数の海洋観測艦が存在していますが、代表的な艦艇には以下のようなものがあります。

• - AGS 5101 あかし（退役）
• - AGS 5102 ふたみ（ふたみ型、退役）
• - AGS 5103 すま（退役）
• - AGS 5104 わかさ（ふたみ型）
• - AGS 5105 にちなん
• - AGS 5106 しょうなん
• - AGS 5107 3,500トン型海洋観測艦（建造中）

さらに、アメリカ海軍にはパスファインダー級の海洋観測艦が存在し、これらは世界の海洋研究や軍事作戦において重要な役割を果たしています。海洋観測艦は、その特性によって海軍の戦略において欠かせない艦船となっています。

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