海老川兼武

海老川兼武：ロボットアニメへの情熱から始まったメカニックデザインの軌跡

海老川兼武氏は、1973年12月28日生まれの日本のメカニックデザイナーです。1980年代に流行したロボットアニメーション作品群に強い影響を受け、幼い頃からメカニックデザイナーを志すようになりました。その情熱は、アマチュア時代には既に開花しており、『月刊少年エース』のメカデザインコンテストに応募。見事、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場するメカ「エレゴレラ」のデザインが採用されるという快挙を成し遂げています。

ゲーム業界への参入とキャリアの始まり

就職活動に臨んだ時期は、家庭用ゲーム機PlayStationの発売時期と重なります。この時代は、ゲームにおける映像表現の技術が大きく進化した転換期でした。海老川氏は、ゲーム業界におけるメカニックデザインの需要増加を予測し、ゲーム業界への就職を目指します。アニメーション制作会社GONZOのアルバイト募集を発見。メカニックデザインの募集ではありませんでしたが、幅広いデザインスキルを習得できると考え、入社を決意します。

GONZOでの最初の仕事は、セガサターン用ゲーム『LUNAR ザ・シルバースター|LUNAR_ザ・シルバースター』のムービーの色塗りでした。その後、メカニックデザインの仕事は、1998年のOVA『青の6号』からスタートします。

フリーランスとしての活躍と『ガンダム』シリーズへの参加

2004年前後にはGONZOを退社し、フリーランスのメカニックデザイナーとして独立しました。独立当初は、メカニックデザインの仕事と並行してモニターデザインの仕事も請け負っていました。モニターデザインの仕事の方が収入が安定していた時期もあり、一時的にモニターデザインに専念しようかと考えたこともあったようです。しかし、転機が訪れます。『機動戦士ガンダム00』のメカデザインコンペに合格したのです。この経験をきっかけに、海老川氏の仕事の中心はメカニックデザインへとシフトしていきました。

以降は、『機動戦士ガンダム』シリーズを中心に数々のメカニックデザインを手掛けています。その活躍は、『ガンダム』シリーズにとどまりません。『ID-0』では、人間型ではないキャラクターデザインにも挑戦し、『アリス・ギア・アイギス』ではメカニックデザインに加え、キャラクターデザインも担当するなど、その才能は多岐に渡ります。

幅広い作品への参加

海老川兼武氏の作品リストは、アニメ、ゲーム、小説、漫画と多岐に渡ります。アニメーション作品では、『青の6号』『ヴァンドレッド』シリーズ、『フルメタル・パニック！』シリーズ、『機動戦士ガンダム00』シリーズ、『ガンダムビルドファイターズ』シリーズ、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』、『境界戦機』、『機動戦士ガンダム 水星の魔女|機動戦士ガンダム_水星の魔女』など、数多くの代表作があります。

ゲーム作品では、『ダライアスバースト』シリーズや『アリス・ギア・アイギス』など、人気タイトルへの参加が目立ちます。小説では『フルメタル・パニック！』シリーズや『デート・ア・ライブ』といった作品でメカニックデザインを担当しています。また、漫画『機動戦士ガンダムAGE 〜追憶のシド〜』でもその才能を発揮しています。

まとめ

海老川兼武氏は、幼少期のロボットアニメへの強い憧れを原動力に、メカニックデザイナーとして確固たる地位を築きました。ゲーム業界での経験を経てフリーランスとなり、多様な作品に携わりながら、メカニックデザイン、キャラクターデザイン、モニターデザインなど、幅広い分野で才能を開花させています。『機動戦士ガンダム』シリーズをはじめとする数々の作品に貢献し、現代のアニメやゲーム業界に欠かせない存在となっています。彼の今後の活躍にも期待が高まります。彼のデザインワークス集も出版されており、その作品を詳細に知りたい方には必見です。

もう一度検索