海蔵寺 (京丹後市)

海蔵寺（かいぞうじ）

海蔵寺は、京都府京丹後市の網野町掛津にある曹洞宗の寺院で、山号は掛津山（かしんざん）です。この寺の本尊は釈迦牟尼如来であり、国の天然記念物である「琴引浜鳴き砂」の保全を祈念する目的でも知られています。

歴史

海蔵寺の起源は、長和年間（1012年 - 1017年）にさかのぼります。当時、掛津浦前浜の人々が増えたことから、字椿原に一堂宇が建設されました。その後、長和3年（1014年）から長禄3年（1459年）までの間は、寺は字椿原に位置していたとされています。この時期、薬師如来や日光・月光両菩薩が奉納されていたことが記録されています。

もともと真言宗であった海蔵寺は、2021年（令和3年）現在、曹洞宗に属し智源寺の末寺として位置付けられています。元和3年（1617年）には、堂宇と仏像が大道の地に移され、正徳2年（1712年）には墓の下に精舎が創建され、海蔵寺と名付けられました。

しかし、文政6年（1823年）に発生した火災で寺は全焼しました。この後、現在の東之丘に境内を設け、中興2世の良獄鶴栄和尚の代に寺が再建されました。さらに、1927年（昭和2年）に北丹後地震が発生した際には寺が全壊・全焼し、墓石の多くが倒壊したり、過去帳が焼失するなどの大きな被害を受けました。このため、1930年（昭和5年）には本堂が再建され、以降その本堂が使用され続けています。

境内の建物

• - 本堂: 本堂には釈迦牟尼如来の木彫像があり、高さは37cmです。また、zen（禅）を広める努力がされており、本堂では座禅体験が実施されています。

• - 山門: 山門の名称は琴祥門と呼ばれています。

• - 大乗妙典塔: この塔は安永8年（1779年）に建立されました。

行事

海蔵寺では一年を通じて様々な行事が行われています。具体的には、毎年1月に大般若祈祷会が催され、『大般若経』全600巻を転読する法要が行われ、3月7日には丹後震災供養会が開かれます。また、7月23日には琴引浜鳴き砂供養観音祭が行われ、多くの人々が訪れます。

アクセス

海蔵寺へのアクセスは、鉄道を利用する場合、京都丹後鉄道の宮津線網野駅から約10分のところに位置しています。自家用車の場合、国道178号に近い場所に所在しているため、アクセスが便利です。

海蔵寺は、その歴史的背景と自然環境の保護に寄与する役割を担った、地域に根ざした重要な寺院と言えるでしょう。

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