海蔵寺 (品川区)

海蔵寺は、東京都品川区南品川にある時宗の寺院です。永仁6年（1298年）に二代遊行上人他阿によって開山されました。

歴史

海蔵寺は、品川宿に点在する時宗寺院のうちの一つとして、その歴史を刻んできました。江戸時代には、罪人や身寄りのない人々を供養する「投げ込み寺」としての側面を持っていました。獄死者や刑死者、旅籠の飯盛女、地方から来た身寄りのない人々の無縁仏を弔う場所となり、人々の魂を鎮める役割を果たしていました。

墓所

境内には、歴史を物語るいくつかの墓所や供養塔があります。

頭痛塚：鈴ヶ森刑場で斬首された死刑囚の首を埋葬したと伝えられています。この塚に祈ると頭痛が治ると信じられ、多くの人々が訪れます。かつては天保の大飢饉の犠牲者を弔う「二百十五人塚」もありましたが、現在は頭痛塚に合祀されています。
京浜鉄道轢死者之墓：鉄道事故で亡くなった人々を弔う墓です。
大正大震火災横死者供養塔：大正大震災の火災で亡くなった人々を供養する塔です。

交通アクセス

海蔵寺へのアクセスは、京浜急行電鉄本線の新馬場駅から徒歩約6分です。

参考文献

平野栄次 著『品川区史跡散歩 (東京史跡ガイド9)』学生社、1993年
「品川宿 南品川宿上 海蔵寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ53荏原郡ノ15、内務省地理局、1884年6月。

関連事項

投げ込み寺

海蔵寺は、品川の歴史と人々の信仰が息づく場所として、今も静かに佇んでいます。

もう一度検索