海部剛史

海部剛史は、1969年2月20日に大阪府堺市で生まれた日本の俳優です。上宮高等学校を経て法政大学法学部を卒業しました。

大学在学中だった1991年に、俳優養成所として知られる「無名塾」に入塾。同年、舞台「令嬢ジュリー」における村人F役で俳優としての一歩を踏み出しました。

キャリア初期において、特に大きな注目を集めたのは、NHKで1998年から1999年にかけて放送された朝の連続テレビ小説『やんちゃくれ』への出演です。この作品で個性豊かな役柄を演じ、その存在感を示しました。

『やんちゃくれ』以降、海部剛史はテレビドラマ、舞台、ラジオドラマといった様々なメディアで精力的に活動を展開しています。テレビドラマでは、同じくNHKの時代劇『聖徳太子』（中臣勝海役）や『蝉しぐれ』（布施鶴之助役）、さらには大河ドラマ『軍師官兵衛』（池田和泉役）、スペシャルドラマ『坂の上の雲』（大庭二郎役）など、歴史作品に多く出演しています。現代劇では、フジテレビ系の昼ドラ『レッド』、NHKの『芋たこなんきん』（河原崎健介役）や『バブル』（今田貴史役）などに出演。また、サスペンスドラマでも活躍しており、日本テレビ系の『火曜サスペンス劇場』やテレビ朝日系の『土曜ワイド劇場』シリーズにも複数回ゲスト出演しています。インターネット配信ドラマ『探偵事務所5』への出演経験もあります。

舞台活動も継続しており、無名塾公演にとどまらず、「ハロルドとモード」（1992年）、「白瀬中尉の南極探検」（1993年）、「リチャード三世」（1993年）などの重要な舞台に出演。近年では「吉本百年物語 笑う門には、大大阪」（2012年）で横山エンタツ役を演じるなど、その活動は多岐にわたります。

映像作品においては、2014年公開の映画『熊野から』で主演を務めました。また、音声メディアでも重要な役を担っており、2008年にはNHK-FMシアター「照子ちゃんの思い出」でラジオドラマ初主演を果たすなど、声の演技でも評価を得ています。さらに、著作権に関する啓発VTR「子供たちと学ぶ著作権」でカトウ大作役を演じるなど、教育分野にも関わっています。

多くの作品で主要な役どころを演じ、特に映画『熊野から』やラジオドラマ「照子ちゃんの思い出」での主演経験は、俳優としての彼のキャリアにおける重要な節目と言えます。その表現力の幅広さで、時代劇から現代劇、シリアスな役柄から個性的なキャラクターまでを演じ分けています。

俳優業以外では、トーク番組「スタジオパークからこんにちは」や「土曜スタジオパーク」などのNHKの番組に出演したり、イワタニのCM「富士の湧水」や「スモークレス焼肉グリル やきまる」に登場したりするなど、多方面でその姿を見せています。趣味は釣りや乗馬です。

長年にわたり、テレビ、舞台、映画、ラジオとジャンルを超えて活躍を続ける実力派俳優であり、今後も様々な作品での活躍が期待されています。

もう一度検索