淀川駅 (国鉄)

淀川駅：大阪の貨物輸送を支えた歴史

淀川駅は、大阪府大阪市都島区中野町に存在した貨物駅です。1927年（昭和2年）12月10日、大阪環状線桜ノ宮駅の北側に開業しました。駅周辺は、現在、大阪市立総合医療センターや桜ノ宮リバーシティーのある地域です。

開業当初は、片町線（現在の学研都市線）鴫野駅に至る淀川貨物線と、京橋駅を結ぶ貨物線が新たに敷設されました。その後、城東線（現在の大阪環状線）の電車化に伴い、淀川駅の東側には淀川車庫（後に淀川電車区と改称）が設置されました。

淀川駅は、長らく大阪の貨物輸送において重要な役割を担っていました。国土地理院の航空写真（1975年撮影）からは、その規模の大きさが伺えます。東西に伸びる3面のコンテナホーム、各ホームに2線ずつ設置されたコンテナ専用荷役線、そして大量のコンテナが確認できます。取り扱われたコンテナは、国鉄のものと私有コンテナの両方で、いずれも5トン級でした。

コンテナホーム以外にも、小荷物の仕分けを行う長大な屋根付き荷役ホーム、複数の貨物線、ガントリークレーン、そして淀川駅の特徴であった小型トラバーサーなども設置されていました。駅周辺には広大な露天広場があり、国鉄や通運各社の事務所や建屋が立ち並んでいた様子がわかります。さらに、荒荷スペースや大型倉庫なども備え、多様な貨物に対応できる設備が整っていたことがうかがえます。

しかし、時代とともに貨物輸送の主役が自動車へと移り変わりました。その結果、1982年（昭和57年）11月15日、淀川駅は廃止され、淀川信号場となりました。これは、電車区への入出区のための信号場として機能を継続したためです。その後、1985年（昭和60年）3月14日、淀川電車区が移転したことに伴い、淀川信号場も廃止されました。

淀川駅の盛衰は、日本の貨物輸送の変遷を象徴するものです。かつて活気に満ちていた貨物駅は、今では歴史の痕跡として、その存在を偲ばせるのみとなっています。しかし、その歴史は、大阪の産業発展に貢献した重要な一ページとして、これからも記憶に留め置かれるべきでしょう。

歴史的な概要

1927年（昭和2年）12月10日：淀川駅開業
1932年（昭和7年）10月20日：淀川車庫開設
1936年（昭和11年）9月1日：淀川車庫を淀川電車区に改称
1982年（昭和57年）11月15日：淀川駅廃止、淀川信号場となる
1985年（昭和60年）3月14日：淀川電車区移転、淀川信号場廃止

関連事項

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