淑徳巣鴨中学校・高等学校

淑徳巣鴨中学校・高等学校：仏教精神と地域貢献を重んじる名門校

淑徳巣鴨中学校・高等学校は、東京都豊島区に位置する私立の中高一貫校です。1919年、社会事業家である長谷川良信氏によって社会福祉施設マハヤナ学園として設立されました。

建学の精神と歴史

創立者の長谷川良信氏は浄土宗の大僧正であり、「感恩奉仕」を校訓に、大乗仏教精神に基づいた人格教育を重視してきました。マハヤナ学園の名称は、古代インドの梵語で「大きな乗り物」を意味し、仏智と慈悲の彼岸へと導くことを象徴しています。

当初は商業科単独の女子高校でしたが、時代の変化と共に普通科を設置、商業科を廃止し、1985年には現在の校名に改称されました。1992年には男女共学となり、1996年には中学校が開校し、中高一貫教育体制が整いました。2019年には創立100周年を迎え、新たな校門が設置されるなど、歴史と伝統を継承しながら、現代社会に適応した教育を展開しています。

教育方針と学校生活

本校の教育は「感恩奉仕」の精神を基盤としています。「感恩」とは、周りの人々への感謝の念を、「奉仕」とは、社会への貢献を意味します。生徒たちは、毎朝の挨拶運動や学校周辺の清掃活動など、実践を通してこの精神を学びます。また、「おかげさま」の精神を育むため、洗心の会など、心の教育にも力を入れています。

学校行事としては、文化祭である「淑鴨祭」、体育祭、そして花まつり、魂まつりなどの仏教行事も盛んに行われています。1年生は週に一度、「淑徳の時間」と呼ばれる仏教の授業を受け、仏教の教えに触れる機会が設けられています。

コース制と部活動

高等学校は、選抜コースと特進コースの2コース制を設け、生徒の能力と進路希望に合わせた教育を提供しています。選抜コースの上位者には、さらに高度な学習内容を扱うクラスが用意されています。中学校においても、スーパー選抜コースと特進コースが設置されています。

部活動は運動部と文化部に分かれ、多くの生徒が活発に活動しています。特に水泳部は、インターハイ優勝やオリンピック出場選手を輩出するなど、全国レベルでの活躍が目覚ましい実績を誇ります。その他、音楽、美術、演劇など、多様な分野の部活動があり、生徒個々の才能を伸ばせる環境が整っています。

施設とアクセス

学校は都営地下鉄三田線西巣鴨駅から徒歩7分、都営バス堀割停留所からも徒歩1分の場所に位置し、通学に便利な立地です。紫をスクールカラーとし、Sマークと呼ばれるシンボルマーク、そして校訓をモチーフにした「おかげさまくん」というマスコットキャラクターも存在します。制服は高校がブレザー、中学校は男子が詰襟、女子がセーラー服で、2019年度からは女子のスラックスとネクタイ着用も認められています。

著名な卒業生

本校は、女優、歌手、スポーツ選手など、各界で活躍する多くの著名な卒業生を輩出しています。オリンピック出場選手や、日本記録を樹立した水泳選手なども輩出しており、その教育の質の高さを示しています。

まとめ

淑徳巣鴨中学校・高等学校は、仏教精神を基盤とした厳格な教育と、生徒の個性を尊重する自由な校風を併せ持つ、魅力的な学校です。地域社会への貢献を重視し、生徒一人ひとりの成長をサポートする教育体制は、多くの生徒から支持され、高い進学実績を誇ります。伝統と革新を融合させ、未来を担う人材育成に尽力している名門校と言えるでしょう。

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