淡嶋神社

淡嶋神社の魅力

淡嶋神社（あわしまじんじゃ）は、和歌山県和歌山市の加太に所在する歴史ある神社であり、全国各地に散在する淡嶋神社、粟島神社、淡路神社の総本社です。式内社論社でもあり、旧社格は郷社に分類されています。この神社は、特に人形供養の場として知られ、境内には全国各地から奉納されたおよそ2万体もの人形が並べられているのが印象的です。

祭神と歴史

祭神には、少彦名命（すくなひこなのみこと）、大己貴命（おおなむじのみこと）、息長足姫命（おきながたらしひめのみこと）が祀られていますが、淡島神の本体に関しては諸説存在します。淡嶋神社の起源は、神話に登場する少彦名命と大己貴命が、加太沖の友ヶ島の神島（淡島）に祀られたことに由来しています。この神社は、日本国内に約1000社存在する淡嶋神社の中でも、最も歴史的な背景を持っています。

神功皇后が船での旅の際、突然の嵐に遭遇したとき、神に祈りを捧げたところ、神託を受けて無事に友ヶ島に入港できたことを感謝し、持ち帰った宝物を奉納しました。その後、仁徳天皇は友ヶ島での狩りの際にこの逸話を聞き、社を加太へ移転し、現在の社殿が建築されました。

淡島神の伝説には、住吉神の妃神とは異なる背景もあり、婦人病を克服するために淡島で誓いを立てたとも伝わっています。こうした理由から、この神社は婦人病に関する祈願の場として評判を得ることとなりました。

人形供養と針供養

淡嶋神社は、人形供養の神社として有名で、周囲には日本人形や市松人形、さらには信楽焼の狸や招き猫などが所狭しと並んでいます。この独特な光景は時に心霊スポットとして扱われることもありますが、神社側は「人形が見られ、遊ばれることが供養につながる」との考え方を持ち、それを大切にしています。2016年には、供養用に寄進された人形がユニバーサル・スタジオ・ジャパンのイベントに貸し出され、物議を醸す出来事がありました。

さらに、淡嶋神社では針供養が行われており、毎年2月に全国から寄せられた針を供養するための針塚が設置されています。近年は縫い物をする機会が減少しているため、針の奉納は少なくなっています。

婦人病祈願と祭事

淡島神は婦人病の神としても信仰され、安産や子授けなど、女性に関わるさまざまな願いが寄せられています。かつては男根形や自らの髪の毛が奉納されることがありましたが、近年では女性が自身の下着を奉納するようになっています。境内の奥には、女性用の下着と共に絵馬が多数奉納されています。

毎年行われる main festival には、針祭り（針供養）が2月8日、雛祭りが3月3日、春の大祭が4月3日などがあります。このような祭事は、地域の人々にとっても重要な行事となっています。

交通アクセスと周辺情報

淡嶋神社へのアクセスは、最寄りの南海加太線加太駅から徒歩で約20分程度を要します。周辺には加太春日神社や友ヶ島、加太淡嶋温泉などが点在しており、それらと共に観光名所を形成しています。

文化財

淡嶋神社内部には、鎌倉時代の作品である金銅造丸鞘太刀や大円山形星兜など、貴重な文化財も収蔵されています。これらは国の重要文化財に指定されています。

淡嶋神社はその独自の文化と歴史を持ち合わせた神社であり、訪れる人々に深い感動を与えるスポットです。

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