淡蒼球

淡蒼球の概要

淡蒼球（たんそうきゅう、英: globus pallidus）は、大脳基底核の一部として位置し、脳の皮質下構造に属します。この構造は、「蒼いもの」というラテン語の名前に由来しており、ミエリン髄鞘によって白みを帯びた外見を持つことから名付けられました。淡蒼球は、外節と内節の二つのセクションに分かれており、これらの節にはGABA作動性の大型投射ニューロンが含まれています。

通常、淡蒼球は古線条体とも呼ばれますが、線条体という用語は通常、背側線条体（または腹側線条体）を指すため、混同しないよう注意が必要です。

淡蒼球の構成要素

淡蒼球外節（GPe）

淡蒼球外節（たんそうきゅうがいせつ、英: external segment of globus pallidus; GPe）は、間接路の一部であり、主に線条体からのGABA作動性の入力を受け取ります。外節からの出力は、視床下核や淡蒼球内節、黒質網様部などへと投射されます。この構造は、運動の調整や遂行に大きく寄与しています。

淡蒼球内節（GPi）

淡蒼球内節（たんそうきゅうないせつ、英: internal segment of globus pallidus; GPi）は、線条体からのGABA作動性の入力を受け取る直接路に位置しています。さらに、外節からのGABA作動性の入力や視床下核からのグルタミン酸作動性の入力も受け取っています。このセクションは、大脳基底核の出力核として、黒質網様部と共に非常に重要な役割を果たしています。

腹側淡蒼球（VP）

腹側淡蒼球（英: ventral pallidum; VP）は、薄い淡蒼球の腹側に位置し、無名質（substantia innominata）を構成する一部です。この領域は、腹側線条体である側坐核や嗅結節からの主にGABA作動性の抑制的な入力を受け取ります。腹側淡蒼球は、視床の背内側核（MD核）に投射し、さらにこのMD核からは大脳新皮質の前頭前野への興奮性の信号が送られます。

結論

淡蒼球は、運動機能の調整や神経伝達に欠かせない構造で、外節と内節、そして腹側淡蒼球という三つの重要な部分から成り立っています。それぞれが異なる役割を持ちながら、相互に連携して機能しています。この構造の理解は、神経学や精神医学の分野において、様々な疾患や状態の治療法を見つけ出すための鍵となるでしょう。

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