深町晋也

深町 晋也

深町 晋也（ふかまち しんや）氏は、1974年に誕生した日本の法学者です。現在は立教大学法学部の教授として、刑法学の研究と教育に力を注いでいます。

研究分野と業績

深町氏の専門は刑法学であり、その研究テーマは多岐にわたります。中でも、刑法における重要な論点である窃盗罪の構成要件や解釈、犯罪が途中で止まった場合の未遂犯の成立要件、差し迫った危険を回避するための行為である緊急避難の理論、そして、自ら危険な状況に身を置いた場合の刑法上の扱いに焦点を当てた危険引受けなど、現代社会においても重要な意味を持つテーマを中心に深い考察を行っています。これらの研究は、刑法理論の発展に貢献するだけでなく、実際の法適用や解釈においても重要な示唆を与えています。深町氏の研究は、著名な刑法学者である山口厚氏の指導のもとで行われてきました。

経歴

深町氏の法学者としてのキャリアは、まず難関である司法試験の第二次試験に1997年に合格したことから始まります。翌1998年3月には東京大学法学部第一類を卒業。その後、同学大学院法学政治学研究科に進み、2000年3月に修士課程を修了しました。博士課程にも進学しましたが、2001年3月に同課程を途中で退学しています。

大学院退学後、2001年4月より岡山大学法学部の助手として研究者の道を本格的に歩み始めました。2003年4月には同大学の助教授に昇任。さらに2004年4月からは北海道大学大学院法学研究科に移り、ここでも助教授を務めました。学校教育法改正に伴い、2007年4月に職位が准教授に変更。北海道大学で経験を積んだ後、2008年4月には立教大学大学院法務研究科の准教授として着任します。立教大学では、2012年4月に大学院法務研究科の教授へと昇任。そして、2020年4月からは同学の法学部法学科の教授として、学部生への教育にも携わっています。岡山大学、北海道大学、そして立教大学と、日本の主要な大学を渡り歩きながら、教育者・研究者としての実績を積み重ねてきました。

主要著書

深町氏の研究成果は、多くの共著や単著として発表されています。主要な著書には、刑法各論の重要テーマを分かりやすく解説した共著『クローズアップ刑法各論』（成文堂、2007年）や、具体的な事例を通して刑法各論への理解を深めるための共著『ケース＆プロブレム刑法各論』（弘文堂、2006年）があります。また、神山敏雄先生の古稀を記念して編纂された論文集『神山敏雄先生古稀祝賀論文集 第一巻』（成文堂、2006年）にも共著者として名を連ねています。

特に注目される単著としては、『緊急避難の理論とアクチュアリティ』（弘文堂、2018年）が挙げられます。この著書は、深町氏が長年研究を続けている緊急避難の理論について、その学術的な深掘りと現代社会における妥当性、すなわち「アクチュアリティ」を詳細に論じたものであり、この分野における深町氏の研究の到達点を示す一冊と言えるでしょう。これらの著書は、法学部の学生や実務家、研究者にとって、刑法学を学ぶ上で重要な文献となっています。

深町晋也氏は、精緻な刑法理論の研究を通じて、日本の法学界において確固たる地位を築いている研究者の一人です。その教育者としての活動も含め、今後のさらなる活躍が期待されています。

もう一度検索