深谷昌志

深谷昌志（ふかやまさし、1933年 9月16日 - ）は、日本の教育学者で、東京成徳大学の名誉教授です。その専門は教育学であり、特に子どもや教育に関する幅広いテーマで研究活動を行ってきました。

生い立ちと学歴

深谷昌志は、1933年に東京市（現在の文京区）で生まれました。1957年に東京教育大学を卒業し、1963年には同大学の大学院博士課程を修了（満期退学）しました。その後、1966年に「良妻賢母主義教育の形成過程」というテーマで教育学博士の学位を取得しています。

職歴

1967年、深谷昌志は奈良教育大学で助教授として教鞭をとり始め、1976年には同大学の教授に昇進しました。1983年には放送大学の教授となり、教育分野での活動を広げました。その後、1989年には静岡大学教育学部の教授に就任し、1997年に定年退官しています。退官後も教育への情熱は衰えず、尚美学園短期大学教授を経て、1999年には東京成徳大学子ども学部の教授および学部長に就任しました。2004年に東京成徳大学の名誉教授となっています。

研究活動と著書

深谷昌志は、教育学研究者として、多数の著書や論文を発表しています。特に、現代の子どもたちを取り巻く問題、教育のあり方、家庭環境など、幅広いテーマで研究を行っています。

主な著書

『良妻賢母主義の教育』（1966年）
『学歴主義の系譜』（1969年）
『ぼくはお父さんに叱られたい子が望む父親の条件』（1979年）
『女性教師論』（1980年）
『現代子どもノート』（1981年）
『孤立化する子どもたち』（1983年）
『子ども考現学子どもたちの明日は?』（1985年）
『お金のしつけ・心のしつけ子どもの小遣いを考える』（1987年）
『放課後の子どもたち』（1997年）
『テレビのしつけ』（1988年）
『学校教育改訂版』（1989年）
『親がすべきこと教師がすべきこと意欲を失った子どもに必要なこと』（1991年）
『おやじと息子の気おわぬ関係年頃の子どもとどうつきあうか』（1992年）
『無気力化する子どもたち』（1992年）
『「子ども」をどれだけ知っているか』（1993年）
『親孝行の終焉』（1995年）
『子どもの生活史明治から平成』（1996年）
『「子どもらしさ」と「学校」の終焉生きるための教育をもとめて』（2000年）
『学校とは何か「居場所としての学校」の考察』（2003年）
『子どもから大人になれない日本人社会秩序の破壊と大人の消失』（2005年）
『昭和の子ども生活史』（2007年）
『父親 100の生き方』（2008年）
『日本の母親・再考』（2011年）

共編著

『女教師問題の研究職業志向と家庭志向』（1971年、深谷和子共著）
『親と教師のための一年生の勉強法』（1973年、編著）
『現代子ども論』（1975年、深谷和子共著）
『遊びと勉強子どもはどう変ったか』（1976年、深谷和子共著）
『現代っ子と学校』（1978年、編著）
『現代っ子の生活』（1978年、編著）
『子どもの価値観』（1979年、編）
『学校教育』（1983年、編著）
『中学校生徒指導』（1983年、加藤隆勝共編）
『教育学研修講座 3 子どもと青年の形成』（1984年、上杉孝実共編著）
『青少年文化』（1984年、門脇厚司共著）
『児童観子ども理解を深めるために』（1986年、編著）
『日本の教育』（1986年、編著）
『子どもが見えない今の子どもをどうとらえるか』（1987年、共著）
『青少年の指導』（1987年、編著）
『心理と教育社会化』（1988年、中川大倫共編著）
『ファミコン・シンドローム』（1989年、深谷和子共編）
『放送大学で何が起こったかあらためて「大学」を問う』（1989年、宇佐美寛共編著）
『子ども世界の遊びと流行』（1990年、深谷和子共編著）
『シンポジウム・子ども』（1990年、編）
『2001年の子どもが危ないシリーズ 4 人間関係編』（1993年、深谷和子共著）
『個性尊重時代の「価値の教育」多様化する価値観への対応指導と経営における心の問題を探る』（1996年、編）
『好かれる教師はどこが違うか』（1997年、編著）
『徹底解剖「学級の荒れ」』（2000年、編著）
『「日韓教育比較調査」報告書中学生・高校生の比較調査から』（2000年、編集代表）
『子どもの規範意識を育てる子どもの規範感覚の検証と子どもの規範形成の探究』（2002年、編）
『幼児教育リーディングズ』（2003年、中田カヨ子共編著）
『いま、子どもの放課後はどうなっているのか』（2006年、深谷和子,高旗正人共編）
『育児不安の国際比較』（2008年、編）
『ユビキタス社会の中での子どもの成長ケータイ時代を生きる子どもたち』（2010年、深谷和子,高旗正人共編著）
『社会的養護における里親問題への実証的研究養育里親全国アンケート調査をもとに』（2013年、深谷和子,青葉紘宇共編著）

これらの著書を通して、深谷昌志は、現代の子どもたちが抱える問題、学校教育の課題、家庭環境の重要性など、多角的な視点から教育に関する考察を深めています。

家族

妻は同じく教育学者であり、東京学芸大学名誉教授の深谷和子です。夫婦で教育学の研究に携わり、共著も多数発表しています。

深谷昌志の教育への貢献

深谷昌志は、長年にわたり教育現場と研究の両面で活躍し、日本の教育の発展に大きく貢献してきました。その研究成果や著書は、教育関係者だけでなく、子育て中の親にとっても有益な情報源となっています。

外部リンク

* CiNii

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