清一色

清一色（チンイーソー）

清一色とは、麻雀の役の一つであり、萬子（マンズ）、索子（ソーズ）、筒子（ピンズ）のいずれか一種の牌のみを使ってアガった場合に成立します。門前（メンゼン）で完成させた場合は6翻、副露（フーロ）した場合は5翻となります。一般的に「チンイツ」と言う場合は副露したものを指し、門前で完成させた場合は「メンチン」と呼んで区別することがあります。

概要

清一色は、役満を除いた通常の役の中では最も翻数が高い役の一つであり、完成させれば大きな得点を得ることが可能です。副露した場合でも満貫が確定し、門前であれば最低でも跳満となります。さらに、ドラや平和（ピンフ）、一気通貫（イッキツウカン）などが複合すれば、倍満以上の高得点も十分に狙えます。広い待ちの形であれば、リーチをかけて更なる高みを目指すことも可能です。その場合、裏ドラが加わって三倍満、あるいは数え役満にまで到達する可能性も秘めています。

清一色の特徴は、その得点力の高さに加えて、テンパイ形が複雑になりやすい点にあります。特に門前の場合は、一見して何待ちか分からないような牌姿になることもあり、多面待ちや待ちの変化を瞬時に見抜く能力が求められます。実戦においては、門前で一向聴（イーシャンテン）になった時点で、次にどの牌を引けばどのような待ちになるのか、どの牌が有効牌なのかをある程度予測し、テンパイに備えておくことが望ましいです。

統計的に見ると、清一色になる牌の組み合わせは非常に多く、その難易度は役満に匹敵するとも言えます。そのため、配牌やツモ、ゲームの展開に恵まれなければ、門前でのアガリは困難です。スピードを重視して積極的に鳴き、アガリを目指すことも戦略の一つとなります。1翻下がってしまうものの、状況に応じて鳴きを入れ、より有利な形に持っていくことができれば、アガリの可能性は大きく高まります。牌姿の美しさや多面待ちの華麗さから門前にこだわる打ち手もいますが、鳴いても十分に高い手であるため、鳴ける牌や重要な牌は迷わず鳴いてしまう方が有利な場合もあります。ただし、序盤から焦って鳴きすぎると、手牌が固定化し、中盤以降に苦しい展開を強いられることもあります。清一色を狙う際は、スピードを重視しつつも、鳴き急ぎには注意が必要です。

また、枚数が足りないところから無理に清一色を狙うことを「ムリチン」と呼ぶことがあります。

鳴いて作った清一色は、他の役との複合が難しいという性質があります。ドラや赤牌が絡まなければ、満貫や跳満から点数が伸び悩むことが多いです。一見するとタンヤオ（タンヤオ）と複合しやすく見えますが、清一色で使える牌は限られているため、実際には難易度が高いです。鳴き清一色のメリットとしては、状況に応じて混一色（ホンイツ）にシフトしたり、逆に混一色から清一色に移行しやすい点が挙げられます。

デメリット

清一色には、主に以下の2つのデメリットがあります。

1. 警戒されやすい: 捨て牌が極端に偏るため、清一色を狙っていることが相手に悟られやすいです。他の色の牌が早い段階で捨てられるのに対し、特定の色の牌だけが全く捨てられない状況が続くと、警戒されるのは避けられません。
2. 防御が難しい: 他のプレイヤーに別の色で待ちを組まれた場合、防御が難しくなります。清一色は高得点を狙える反面、アガリを急ぐあまり、相手の攻撃に対して無防備になることがあります。結果として、放銃してしまうケースも少なくありません。

また、麻雀初心者にとっては、待ちの形が複雑になりすぎることもデメリットとなります。牌が次々と手元に集まることで、連続形が複雑になったり、4枚使いの見慣れない形になったりして、待ちが分からなくなることがあります。複数の待ちを見落としたり、余剰牌がある状態でフリテンに気づかず、チョンボを犯してしまう危険性もあります。ただし、これは練習によって克服可能な問題です。

牌姿の例

（例）多面待ちのケース

[牌姿の画像]

待ちは 6種類と有利ですが、4枚使いの牌の周辺が複雑で、多面待ちが苦手な場合は混乱する可能性があります。

（例）高めと安めがあるケース

[牌姿の画像]

待ちは5種類。 でアガると平和がつき、さらにでは一気通貫も複合します。でアガった場合が最も高得点となります。

（例）副露した場合

[牌姿の画像]

副露すれば手牌が短くなり、待ちも比較的簡単になります。この場合は 待ちとなります。

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