清川だし

清川だし（きよかわだし）とは

清川だしは、山形県庄内地方の最上川周辺で吹く局地的な東風です。この風は、日本三大局地風の一つに数えられ、地峡風の代表的な例として知られています。地元では、東寄りの風を一般的に「ダシ」と呼んでいます。

特徴

清川だしの特徴は、その定義が一義的でない点にあります。これまでの研究報告では、風速などの基準が異なり、一般的には低温低湿の風と認識されていますが、フェーン現象やボラ風のように変化することもあります。そのため、清川だしを特定の性質を持つ風として定義することは難しいとされています。

発生メカニズム

清川だしの発生には、特定の気圧配置が関係しています。日本海側に低気圧の吸引源が必要で、特に太平洋側に高気圧がある場合に発生頻度が高まります。梅雨前線が日本列島南側に位置し、オホーツク海[[高気圧]]が顕著な場合には、清川だしは持続的に強くなると考えられています。

地形的な要因としては、オホーツク海方面からの空気が、東の奥羽山脈の鞍部を越えて最上盆地に流れ込み、沈降します。この空気が、越後山脈を最上川が横断して形成された峡谷である古口と清川の間を溢れ出すことで、強い地上風が発生すると考えられています。

影響と利用

清川だしは、地域に様々な影響を与えています。特に稲作においては、出穂直後に強風を受けることで、蒸散過多となり白穂現象を引き起こすことがあります。これは、稲の品質低下につながるため、農家にとっては大きな課題です。

一方で、清川だしは年間を通して比較的安定した風向・風速を有しており、この特性を利用した風力発電も行われています。山形県立川町（現庄内町）では、清川だしを活用した町おこしが進められ、地域経済の活性化に貢献しています。

まとめ

清川だしは、山形県庄内地方に吹く特有の局地風であり、その発生メカニズムや影響は多岐にわたります。稲作への影響がある一方で、風力発電などの再生可能エネルギーとしての利用も進められています。清川だしは、地域の自然環境と人々の生活に深く関わる重要な存在と言えるでしょう。

関連項目

広戸風
やまじ風
やませ

参考文献

日下博幸・藤部文昭（編集代表） 編『日本気候百科』丸善出版、2018年。ISBN 978-4-621-30243-9。

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