清棲幸保

清棲幸保について

清棲幸保（きよす ゆきやす、1901年2月28日 - 1975年11月2日）は、日本を代表する鳥類学者です。宇都宮大学では教授として活躍し、野鳥の研究と撮影を通じて、重要な業績を残しました。彼は理学博士の学位を持ち、多くの著作や図鑑が評価されています。特に『日本鳥類大図鑑』は名著とされ、多くの研究者に影響を与えました。

生い立ち

清棲は、日本の華族に生まれ、旧松代藩第10代藩主の三男として東京で育ちました。東京帝国大学で動物学を学び、在学中に貴族院議員の養子となり、その後伯爵を襲爵しました。学習院時代から昆虫や鳥の標本作成に熱中し、優秀な成績を収めながら、容姿端麗な学生として周囲に知られていました。

研究の道

1927年から徳川生物学研究所で活動を開始し、1925年には伏見宮の王女と結婚、二男二女をもうけました。その後の研究機関で、鳥類の生理学や繁殖に関する様々な成果を上げました。彼の研究は、特に日本の野鳥に関するものが多く、観察やデータ収集を重視しました。戦後は、文部省や宇都宮大学での教育・研究に従事し、同時に多くの書籍や論文を執筆しました。

主な業績

清棲が14年の歳月をかけて完成させた『増補改訂版・日本鳥類大図鑑全3巻』は、戦後日本の鳥類図鑑の中でも最高峰とされ、特にその内容の充実度から日本鳥類三大図鑑の一つに位置づけられています。彼の仕事は多くの後進の研究者に影響を与え、鳥類学の発展に寄与しました。1937年には、高地で本州南部初のコガモの繁殖確認を行うなど、実地調査にも力を入れました。

家族とエピソード

幸保は最初の妻である敦子とともに家庭を築きましたが、30歳の若さで彼女を失います。その後、再婚相手のみつとの間には多くの子供が生まれ、彼らもそれぞれの分野で活躍しています。最近では、清棲の業績を称えるために、彼の名を冠した展示スペースが設置されるなど、彼の功績が広く認識されています。

清棲幸保は、豊かな生涯を通じて日本の自然科学、特に鳥類研究の発展に情熱を注いだ学者として、現在も多くの人々から敬愛されています。彼の果たした役割は、今後の環境保護や生態系研究にも重要な意義を持つことでしょう。

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