清水みのる

清水 みのる（しみず みのる）

清水みのる（本名：清水實）は1903年9月11日に静岡県浜名郡伊佐見村（現在の浜松市中央区伊左地町）で誕生した、日本の作詞家。彼は昭和初期から中期にかけて作詞活動でその名を広め、多くの人々に親しまれる楽曲を生み出した。

経歴と人物像

少年時代、清水は水泳に情熱を注ぎ、後に旧制浜松中学（現在の浜松北高校）を経て、京都の予備校を少しの間訪れた。次に山陽中学校（現在の山陽高等学校）に編入し、最終的には立教大学の文学部英文学科を卒業。大学では水泳部に所属し、主将として活躍しながら短距離自由形で全日本のトップ5に入る好成績を残した。特に、詩人のサトウハチローは彼の先輩であり、清水がレースを行う際には必ずプールに訪れ、応援していたと伝えられている。

清水はまた、柔道で初段を取得し、ラグビーでも優れた技能を発揮した。大学在学中には詩人の佐藤惣之助に師事し、詩やシナリオの創作を始めた。彼は小笠原プロダクションの別流として「乱闘の後」という作品を手がけ、映画制作にも関与することとなる。彼が作ったブレーブ映画研究会は、多くの熱心な映画研究生と共に作品を創り上げ、原作、脚本、監督、主演をすべて清水が担当した。この映画は浅草の大勝館で上映された。

作詞家としての道

1931年、清水は日本ポリドール蓄音機商会に入社し、社員として働きながら作詞家としてのキャリアを歩み始めた。1939年には田端義夫のデビュー曲の作詞を手掛けるが、同年に陸軍へ入隊し、出征する。戦後、清水はテイチクレコード会社に入社し、作曲家の倉若晴生や歌手の田端義夫とのトリオで、「かえり船」や「かよい船」といったダンス音楽を中心に、多くのヒット曲を制作した。彼の作品には「星の流れに」「月がとっても青いから」「雪の渡り鳥」など、多様なジャンルの楽曲が含まれる。さらに、母校である立教大学の第三応援歌「若き眉」の作詞も手掛けている。

清水の功績をたたえ、浜松市立伊佐見小学校には「清水みのるの部屋」が設けられ、平成元年に開設された。また、彼が作詞した「森の水車」を記念して、浜松市西区伊左地町には伊佐地緑地公園内に水車が設置され、「森の水車公園」として地域の人々に親しまれている。

受賞歴

清水みのるはその功績に対して多くの賞を受けており、特に1960年には日本作詩家協会から功労賞を受賞し、1969年には紫綬褒章を受け取った。また、勲四等旭日小綬章も授与され、その功績は今も多くの人に評価され続けている。

代表作

彼の代表的な作品には、以下のような楽曲がある：

• - 『島の船唄』（昭和14年5月、歌：田端義夫）
• - 『出船の唄』（昭和14年8月、歌：北廉太郎）
• - 『旅のつばくろ』（昭和14年9月、歌：小林千代子）
• - 『別れ船』（昭和15年6月、歌：田端義夫）
• - 『森の水車』（昭和16年8月、歌：高峰秀子）
• - 『マレーの虎』（昭和17年6月、歌：上原敏）
• - 『かえり船』（昭和21年11月、歌：田端義夫）
• - 『星の流れに』（昭和22年12月、歌：菊池章子）
• - 『母紅梅の唄』（昭和24年1月、歌：菊池章子）
• - 『かよい船』（昭和24年6月、歌：田端義夫）
• - 『憧れの住む町』（昭和25年6月、歌：菅原都々子）
• - 『月がとっても青いから』（昭和30年5月、歌：菅原都々子）
• - 『雪の渡り鳥』（昭和32年11月、歌：三波春夫）
• - 『想い出』（昭和31年8月、歌：石原裕次郎）

清水みのるは1979年12月10日に逝去したが、彼の音楽は今なお多くの人々に親しまれている。

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