清水谷駅

清水谷駅

清水谷駅（しみずだにえき）は、北海道河東郡上士幌町にかつて存在した、日本国有鉄道（国鉄）士幌線の鉄道駅でした。この駅は、帯広と北十勝を結んだ士幌線の歴史において、一時期は地域の交通拠点として機能しましたが、時代の変遷とともにその役割を終え、現在は廃駅となっています。

歴史

清水谷駅は、昭和10年（1935年）11月26日に営業を開始しました。これは、士幌線が上士幌駅から当駅まで延伸開業したことに伴うものです。開業当初は、貨物や荷物、そして旅客を取り扱う一般駅としての役割を担っていました。

その後、昭和12年（1937年）9月26日に糠平駅まで士幌線がさらに延伸されると、清水谷駅は途中駅となり、網を広げる士幌線の中継点の一つとなりました。

しかし時代の流れとともに、駅の機能は徐々に縮小されていきます。昭和45年（1970年）9月10日には、特別扱いの新聞紙を除く貨物および荷物の取り扱いが廃止され、同時に駅員が配置されない無人駅となりました。さらに昭和49年（1974年）10月1日には、残っていた荷物扱いも全て廃止され、旅客機能のみを持つ駅へと変わりました。

そして、昭和62年（1987年）3月23日。士幌線の全線廃止という鉄道網再編の波の中で、清水谷駅もまたその歴史に幕を閉じ、廃駅となりました。

駅名の由来

清水谷という駅名は、この地域に湧き出る清らかな水に由来しています。駅からおよそ2キロメートル離れた谷間には、かつて清水が湧き出る沢があり、その場所は「清水沢」と呼ばれていました。駅開業にあたり、この地名にちなんで駅名を検討した際、「清水沢」という名称が挙がりました。しかし、既に夕張線に同名の駅が存在していたため、重複を避ける目的で「清水谷」と命名された経緯があります。

駅構造

駅の構造は、その役割の変化を反映しています。廃止される時点では、島式ホームの片側一面だけを利用する単式の1線を有するのみの簡素な造りとなっていました。前述のように無人駅であったため、駅舎なども機能縮小に伴い静かな佇まいを見せていたことでしょう。しかし、かつて清水谷駅は、島式ホームの両側に線路を備え、複数の列車が行き違うことが可能な設備を有していました。士幌線が単線区間を多く含む路線であったことを考えると、列車交換設備を持つ駅は運行上重要な役割を担っていたと言えます。

駅跡と周辺

清水谷駅のあった場所やその周辺は、時代の移り変わりとともに姿を変えました。現在、かつての駅跡は広大な牧場の一部として利用されており、その面影を見つけることは難しいかもしれません。駅前には一軒の民家が残っているものの、それ以外の建物は多くが廃屋となっており、往時の賑わいを偲ばせるものは少なくなっています。

ただし、この地域へのアクセスは確保されています。駅跡の近くには、帯広方面から北へ向かう国道273号や、清水谷と足寄を結ぶ北海道道468号清水谷足寄線が通じており、自動車による交通の便があります。また、公共交通機関としては、十勝バスの「清水谷」停留所が付近に設置されており、かつて鉄道が担っていた地域の交通を補っています。

隣の駅

士幌線が現役だった頃、清水谷駅の隣駅は、上士幌方面に向かう列車では萩ヶ岡駅、糠平方面に向かう列車では黒石平駅でした。これらの駅もまた、士幌線の廃止とともにその役割を終えています。

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