清神社

清神社（すがじんじゃ）

清神社は、広島県安芸高田市吉田町に位置する神社であり、旧郷社としても知られています。この神社は、主祭神として須佐之男命を祀り、相殿には脚摩乳命、手摩乳命、稲田姫命、さらに五男三女神が祀られています。また、『神武天皇聖蹟誌』によれば、中之玉殿には素盞鳴尊が、左の相殿には三大神、右の相殿には八王子が祭られていると記されています。摂社としては伊勢神社があり、そこで天照皇大神や早良親王（崇道天皇）も祀られています。

由緒

清神社の由緒は非常に古く、当地は『日本書紀』の一節に登場する「安芸国可愛之川上」であり、須佐之男命が八岐大蛇を退治した舞台であるとされています。この神社名の由来は、須佐之男命が退治後に発した「吾が心清清（すがすが）し」という言葉に因んでいるとされ、神代からの長い歴史を持つと伝えられています。

昔は「行宮清神社」「祇園社」「祇園崇道社」と呼ばれていましたが、明治5年（1872年）に神仏分離に伴い、現在の社名に改名されました。境内にある杉の巨木は、台風の影響で倒れた際に年輪が調査され、約1200年以上の歴史を持つことが確認され、現在その切り株が展示されています。

歴史の中で、清神社は中世には京都祇園社の荘園「吉田荘」の守護神としても信仰されていました。時に早良親王の祟りを鎮めるために、「祇園崇道社」という社名が使われていました。更に、鎌倉時代末期からは吉田郡山の鎮守神として安芸毛利氏に崇拝され、そのゆかりの品が社宝として残されています。1395年から1325年までの間に残された16枚の棟札の中でも、特に毛利氏に関わるものは重要視されています。

江戸時代までには村の鎮守神としての役割を持ち続け、現在の社殿は元禄7年（1694年）に建立されました。社殿の設計は特徴的で、6本の太い柱で形成された五間社入母屋造の様式を持ち、千鳥破風や軒唐破風が施されています。

また、境内には「椙若社」という、毛利元就の継母である杉大方の菩提を弔うために建立された社も存在します。1950年には台風によって倒壊しましたが、地域の人々の協力により1997年に復興されました。

清神社の社宝には、毛利元就によって求められた聖護院門跡道増による「感神院」の扁額や、元亀年間の舞楽面など、貴重な歴史的資料が保管されています。

備考

清神社の近くには広島県立吉田高等学校があり、地域の象徴的な存在となっています。さらに、Jリーグのサンフレッチェ広島は毎年必勝祈願に訪れ、また卓球日本代表もオリンピックに向けて祈願するために訪れています。必勝祈願では、宮司が元就のエピソードに基づく「三本の破魔矢」を手渡す伝統もあります。

交通

この神社へのアクセスは、JR向原駅から車で約10分、中国自動車道高田ICからも約10分の距離にあります。また、広島バスセンターからは「吉田」行きの広電バスを利用し、「安芸高田市役所前」バス停で下車し、徒歩で約10分です。

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