渋沢栄一 (小惑星)

渋沢栄一小惑星の紹介

渋沢栄一（英語名: 22453 Shibusawaeiichi）は、小惑星帯に位置する小惑星の一つで、アマチュア天文家による観測によって1996年に発見されました。発見地は北海道北見市で、発見を手掛けたのは円舘金氏と渡辺和郎氏です。この小惑星は、太陽からの軌道長半径が約2.26 au（天文単位）であり、3.4年ごとに太陽の周りを一周します。国際的な小惑星のデータベースであるLightcurve Database (LCDB) においては、フローラ族に分類されています。

名前の由来

この小惑星の仮符号は1996 VC9で、固有名としてのShibusawaeiichiは、日本の明治から昭和時代にかけて活躍した実業家、渋沢栄一に由来します。名前の由来となった渋沢栄一は「近代日本の父」とも称され、多くの企業や金融機関の設立に貢献した人物です。埼玉県深谷市の出身である彼の功績を称え、地元の街おこし活動として小惑星に彼の名前を冠する取り組みが行われました。

深谷市の職員が宇宙航空研究開発機構（JAXA）の元職員とに交流の中で、発見者の一人であり、1996 VC9の命名権を有する渡辺和郎氏に命名の依頼を行いました。この依頼を快く引き受けた渡辺氏は、2020年4月に国際天文学連合（IAU）に名称案の申請を行いました。その結果、国際天文学連合の小天体の固有名に関するワーキンググループ（WGSBN）によって、2021年9月2日の「WGSBN Bulletin」で正式にShibusawaeiichiという名前が承認されたのです。

天文における意義

渋沢栄一小惑星の存在は、宇宙と日本の歴史や文化を結びつける重要な役割を果たしています。特に、今の時代においては、学問を通じた交流や科学の発展が求められる中で、彼の名を冠することが地域や国への誇りを生む一助となっています。この小惑星は、ただの天文現象であるだけでなく、日本人の精神や文化の一部を体現する象徴とも言えるでしょう。

おわりに

小惑星渋沢栄一の発見と命名は、地域の人々にとっても特別な意味を持つ出来事でした。彼の業績を称えるこの天体は、今後も科学的なリサーチの対象として注目され続けるでしょう。また、我々にとって小惑星というものがただの宇宙の塊ではなく、文化的な意味も持つことを再認識させてくれる存在であることに気づかされます。今後も多くの天体が発見され、その背後にある物語に思いを馳せる機会が増えることを期待しています。

もう一度検索