渋沢武之助

渋沢武之助

渋沢武之助（しぶさわ たけのすけ、1886年12月26日 - 1946年6月4日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の実業家です。子爵・渋沢栄一の二男として生まれました。

生涯

渋沢武之助は、1886年に渋沢栄一の二男として誕生しました。幼少期から恵まれた環境で育ち、第一高等学校を経て東京帝国大学法科大学に進学しました。しかし、在学中に病を患い、志半ばで大学を退学せざるを得ませんでした。

その後、武之助は実業界に身を投じ、様々な企業の経営に携わりました。石川島飛行機製作所社長、国産電機相談役、国際産業、十勝開墾、仏国通商、浅野セメント各取締役、日本醋酸製造、大島製鋼、渋沢同族、浅野セメント、東京石川島造船所各監査役、帝国飛行協会理事など、多岐にわたる役職を歴任し、日本の産業発展に貢献しました。

1914年には分家し、新たな生活をスタートさせました。趣味は運動で、心身ともに健康な生活を送っていたようです。しかし、晩年は戦災により自宅を焼失し、自動車小屋を改造したバラックでの生活を余儀なくされました。そして、1946年6月4日、病のためそのバラックで亡くなりました。

家族・親族

渋沢家は、日本の近代化に大きく貢献した一族です。武之助の父・栄一は、日本資本主義の父とも呼ばれ、数多くの企業の設立に関わりました。兄には渋沢倉庫取締役会長を務めた篤二、弟には正雄と秀雄がいます。妻は福原信三の妹である美枝。

また、養子には津軽承靖の弟である言忠を迎えました。長女の昭子の夫でもあります。親戚には、政治家・実業家の渋沢敬三、第一銀行頭取の明石照男、富士製紙社長の大川平三郎、資生堂創業者の福原有信、資生堂社長の福原信三、法学者の穂積重遠、男爵の池田勝吉、子爵の阪谷芳郎などがいます。このように、渋沢家は政財界に多くの人材を輩出しており、日本の近代化に大きな役割を果たしました。

人物像

渋沢武之助は、実業家として多忙な日々を送る一方で、趣味の運動を楽しみ、心身の健康を保っていました。しかし、晩年は戦災によって家を失い、不遇な生活を強いられました。それでも、彼は最後まで希望を捨てず、前向きに生きたと伝えられています。彼の生涯は、日本の近代化の光と影を映し出す鏡と言えるでしょう。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第5版』人事興信所、1918年。
人事興信所編『人事興信録 第6版』人事興信所、1921年。
人事興信所編『人事興信録 第7版』人事興信所、1925年。
伊藤痴遊編『快傑伝 第1編』忠誠堂、1926年。
校外調査会編『帝国大学出身名鑑』校外調査会、1932年。
人事興信所編『人事興信録 第10版 上』人事興信所、1934年。
人事興信所編『人事興信録 第12版 上』人事興信所、1940年。
人事興信所編『人事興信録 第13版 上』人事興信所、1941年。

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