渋谷ビデオスタジオ

渋谷ビデオスタジオについて

渋谷ビデオスタジオ（しぶやビデオスタジオ）は、東京都渋谷区宇田川町にかつて存在していたテレビスタジオです。ここは、ボウリング場「ショーエイボウル」の跡地に、テレビ収録用スタジオや編集室が併設された施設として生まれ変わりました。スタジオの設立は1976年12月で、設立当初からテレビ番組の制作に重要な役割を果たしてきました。

スタジオの歴史と利用状況

1980年代半ばには、フジテレビが月曜9時のドラマを中心に収録を行うために出資しており、同スタジオは多くの人気番組の舞台となっていました。例えば、MBSテレビの『世界まるごとHOWマッチ』や『世界ウルルン滞在記』など、東京で制作される番組の拠点として利用されていました。また、フジテレビのドラマ『フライトパニック』や『たけしのコマ大数学科』などもこのスタジオで収録されていました。

スタジオには3つの主要な収録室があり、第1スタジオは200坪の広さでHD/SD両対応、第2スタジオは180坪、第3スタジオは110坪のSD対応でした。これらのスタジオは、バラエティ番組やドラマの収録に多く利用され、テレビ業界において重要な存在でした。

閉鎖とその後の変遷

しかし、2000年代に入ると、フジテレビは収録・編集拠点を統合するため、江東区青海に新たな大規模スタジオ「フジテレビ湾岸スタジオ」を建設しました。2007年春には新スタジオが竣工し、同年9月14日から本格運用が始まりました。この新しいスタジオの開設に伴い、渋谷ビデオスタジオは2007年9月にその役割を終えました。閉鎖後、スタジオの設備は全て撤去され、建物は耐震性補修を受けずに2011年に取り壊されました。

その跡地には、2019年2月に完成予定の地上21階・地下2階の複合型高層ビル「ラ・トゥール渋谷Ⅱ」が建設され、オフィススペースとしてはインターネット広告の大手企業、サイバーエージェントが一括賃借し、『Abema Towers』という名称で新たな事業を展開しています。

スタジオに関わっていた制作会社の動向

渋谷ビデオスタジオを運営していた企業は、その後もイベント企画や不動産コンサルティングなどを手掛ける事業持株会社としての役割を果たしています。かつてこのスタジオを利用していた制作会社や番組が、他のスタジオに拠点を移行することが増えていきました。

渋谷ビデオスタジオの閉鎖により、スタジオを利用していた関西テレビや朝日放送なども他のスタジオを活用し始め、東京メディアシティなどが新たな収録拠点となっていきました。かつての栄華があったこのスタジオも、時代の変化と共に静かに幕を下ろしました。

まとめ

渋谷ビデオスタジオは多くの人気番組を世に送り出した歴史的な場所で、その存在はテレビ業界において特別な意味を持ちました。その跡地は新しいビジネスとして生まれ変わり、時代の変遷を反映した形で再利用されています。今後もこの地域は、さまざまな形で発展していくことでしょう。

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