渋谷区立西原小学校

渋谷区立西原小学校（しぶやくりつ にしはらしょうがっこう）は、東京都渋谷区西原二丁目に所在する公立小学校です。

概要と立地

学校は、京王新線幡ヶ谷駅から南へ徒歩およそ7分、また小田急線および東京メトロ千代田線代々木上原駅から北へ徒歩およそ9分の場所に位置しています。周辺は落ち着いた住宅地が広がり、学校敷地の西側は公道に面しており、静穏な教育環境が保たれています。

歴史と沿革

西原小学校の歴史は、1928年（昭和3年）4月1日に東京府豊多摩郡西原尋常小学校として開校したことに始まります。翌1929年（昭和4年）4月1日には高等科が併設され、東京府豊多摩郡西原尋常高等小学校と改称しました。その後、1935年（昭和10年）4月1日には高等科の児童全員が代々木高等小学校へ移管されることとなりました。

戦時下の困難な時期には、児童たちの安全を守るため集団疎開が実施されました。1944年（昭和19年）8月18日には、第一次学童集団疎開として静岡県伊東町へ向かい、さらにその後、青森県へと再疎開を経験しました。翌1945年（昭和20年）4月14日には、第二次学童集団疎開として富山県栃波郡盤若村へ疎開しています。終戦後、1945年（昭和20年）11月5日に集団疎開から帰還しましたが、すぐに自校の校舎を使用することはできず、代々木国民学校の校舎を借りて授業を再開しました。戦後の復興が進む中、1948年（昭和23年）3月23日に新たな校舎が完成し、間借りしていた代々木中学校から移転を果たしました。さらに時は下り、1973年（昭和48年）4月1日には新しい校舎が落成し、学習環境がさらに充実しました。

教育研究への取り組みも長年にわたり積極的に行われてきました。1987年（昭和62年）3月10日には渋谷区の奨励校に指定され、国語科の研究発表を実施。1990年（平成2年）1月26日には渋谷区研究推進校に指定されるなど、区の教育研究をリードする役割を担っています。その後も2004年（平成16年）、2005年（平成17年）、2008年（平成20年）、2010年（平成22年）、2012年（平成24年）と、度々渋谷区教育委員会研究推進校として指定され、研究発表を行うなど、活発な教育実践を展開しています。また、施設の安全対策も進められ、2002年（平成14年）8月31日には体育館の耐震工事が完了しています。

教育目標

西原小学校が掲げる教育目標は、「人権尊重の精神や生命に対する畏敬の念を培い、よりよい自分や社会をつくろうとする自己形成力をもち、生涯を通して学び続けることのできる心豊かでたくましい子供を育てる」ことです。この目標に基づき、「実行する子ども、よく考えて、進んで学習する」「思いやりのある子ども、相手の気持を考える」「健康な子ども、外で元気に遊ぶ」という具体的な子ども像の育成を目指しています。

建て替え計画

渋谷区が2022年（令和4年）に策定した「渋谷区新しい学校づくり整備方針」および「渋谷区立小学校と中学校の建て替えロードマップ」に基づき、西原小学校も将来的な建て替えが計画されています。施設の長寿命化と未来の学校コンセプトの実現に向け、2032年度（令和14年）から2034年度（令和16年）にかけて、解体1年、建築2年の工事期間が予定されています。

通学区域と学校選択

児童の通学する学校は、原則として住所によって指定されています。しかし、渋谷区では2004年（平成16年）から学校選択希望制が導入されており、現行の通学区域を維持しつつも、通学区域外の学校を希望することが可能です。この制度は、各学校の特色づくりや地域に開かれた学校運営を促進し、保護者や地域から選ばれる学校づくりを目的としています。また、通学の距離などを考慮した調整区域も設けられており、保護者の申請により指定校の変更が認められる場合があります。

著名な出身者

西原小学校からは、多分野で活躍する多くの著名人を輩出しています。政治家の平沼赳夫氏、女優の吉永小百合氏をはじめ、俳優・歌手の仲雅美氏、歌手の土岐麻子氏、TRICERATOPSボーカル・ギターの和田唱氏、作曲家の川口大輔氏、声優の田中真弓氏、内閣府事務次官を務めた松元崇氏、俳優の今野哲治氏、Bリーグコーチの福田秀憲氏などが卒業生として名を連ねています。

交通アクセス

学校へのアクセスは、京王新線幡ヶ谷駅南口から徒歩約7分、または小田急小田原線および東京メトロ千代田線代々木上原駅西口から徒歩約9分となっています。

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