渋谷小夜子

渋谷小夜子：女子競輪黎明期を彩った「女王」

渋谷小夜子（しぶや さよこ）は、1933年7月11日生まれの元女子競輪選手です。選手登録地は神奈川県で、選手登録番号は144（女子）です。特筆すべきは、日本競輪選手養成所が設立される以前に選手登録された、いわゆる「期前選手」である点です。

競輪選手への道

郵便局員の家庭に育った渋谷は、当初自転車に乗ることすらできませんでした。しかし、既に競輪選手として活躍していた従兄の渋谷隆雄（選手登録番号319）から、「競輪選手になる気があるなら、練習を教える」と誘いを受け、自転車の練習を始めました。

女子競輪黎明期の圧倒的な強さ

プロデビュー後、渋谷は女子競輪界において圧倒的な強さを誇りました。特に、以下の特別競輪獲得歴が示すように、黎明期においてその存在感は際立っていました。田中和子が台頭するまでの間、「女王」の名をほしいままにしました。獲得賞金額も、1950年には70万3200円で4位、1952年には183万9000円で田中和子に次ぐ2位でした（1951年は資料毀損のため不明）。

現役引退とその後

「女は結婚しなければ」という考えから、数年の現役生活で引退を決意し、1953年4月20日付で選手登録を消除しました。引退後は、病院の受付や日本鋼管などの民間企業、藤沢市役所に勤務しました。結婚後、1男をもうけています。

獲得タイトル

1950年
第1回高松宮妃賜杯競輪（大津びわこ競輪場）
1951年
第2回高松宮妃賜杯競輪
第1回全国都道府県対抗争覇競輪（大宮競輪場）
第5回全国争覇競輪（大阪中央競輪場）
1952年
第2回全国都道府県対抗争覇競輪（高松競輪場）
第3回高松宮妃賜杯競輪
第3回全国都道府県対抗争覇競輪（福岡競輪場）

まとめ

渋谷小夜子は、女子競輪の黎明期に圧倒的な強さを見せつけた選手です。その活躍は、初期の女子競輪を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。短い現役生活ではありましたが、数々のタイトルを獲得し、多くのファンを魅了しました。

参考文献

* 【11～18】頑張れ！岸和田競輪 - 【17】を参照。渋谷が全国争覇競輪で優勝した旨の記述がある。

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