大津びわこ競輪場

大津びわこ競輪場の歴史と背景

大津びわこ競輪場は滋賀県大津市に位置しており、1950年から2011年までの間、地域のスポーツ文化の一部として活躍してきました。この競輪場は、滋賀県の佐藤与吉氏が提案したことから始まり、近江神宮外苑公園を利用して競輪場が設立されることとなりました。共同で開設されたこの場は、当初、滋賀県と大津市が主催する形で運営されていましたが、1989年からは大津市が単独で開催することとなります。

競輪場の最も大きなイベントは、毎年開催される高松宮記念杯競輪でした。競輪人気を受けて、このイベントは特別競輪に昇格し、選手たちの間でも特に注目される競技となりました。特に中井光雄選手の3連覇を称えた「中井光雄杯」など、地域に根ざした大会も行われていました。また、場内のイメージキャラクターである「ビッシー」は、琵琶湖の水の妖精をモチーフにし、「ビッシーカップ争奪戦」も開催されるなど、多彩な催しがありました。

競技場の特典と特徴

大津びわこ競輪場は500メートルのバンクを有し、元々は直線部分が際立っていたため「びわこ道」と呼ばれることもありました。後の改修によって平坦なバンクに変更され、選手たちが走りやすくなる工夫が施されました。しかし、晩年には高松宮記念杯競輪の収益によって運営が成り立つような状態が続き、他のイベントの赤字を補う役割を果たしていました。しかし、2004年から売上が減少し、継続的な赤字に悩まされることとなりました。

廃止の決定とその影響

2010年には大津市長が競輪場の存続について厳しい見解を示し、最終的には2011年3月にすべての競輪事業を終了することが発表されました。この年の高松宮記念杯競輪での収入は目標に達しない結果となり、結局、3月の「びわこファイナルカップ」が競輪場での最後の開催となりました。残念ながら、この初日に発生した東日本大震災の影響により、その後の開催は中止となり、事実上の閉場となったのです。

競輪場跡地の利用

競輪場が廃止された後、その跡地はどのように利用されるのかという問題が浮上しました。大津市は土地を更地にする必要があり、滋賀県と交渉の上、実際に競輪場の土地を県に譲渡し、県が持つ他の市有地を交換する形で合意が形成されました。跡地の利用については、駐車場などの一部が既に返還され、新たな商業施設が建設されることが決まりました。

特に2019年11月には「ブランチ大津京」が完成し、近隣の住民や観光客に新たな交流の場を提供しています。しかし、跡地の一部は未だに競輪場の跡地としての状態が残っています。

アクセスと地域の文化

大津びわこ競輪場は交通の便がよく、JR湖西線の大津京駅から徒歩10分ほどの距離でした。また、競輪場へは送迎バスが運行され、これにより多くの観客が訪れていました。その他、かつては江若鉄道が臨時駅を設置していたこともあり、地域におけるアクセスの良さが競輪場の魅力を高めていました。

このように、大津びわこ競輪場は滋賀県のスポーツ文化における重要な施設でした。競輪の興盛を支えたこの場がなくなったことは、多くの人々にとって惜しまれる結果となりました。

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